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鶏頭鈕

一つ記事が飛んでしまいましたが、前々話の続き昭和15年の印章業界紙「印章世界」からです。

今回印章世界からは表紙のみ。

印章世界


印章世界

ここに「鶏頭鈕」と書かれていますね。

読み方は「けいとうちゅう」です。

はて、何の事でしょうか。

まずは鈕から。

多くの資料で鈕とは印章の「つまみ」と書かれていますが、一般的に使われているハンコ(認印や銀行印)を見慣れている

方には「つまみ」と言ってもピンと来ないかも知れません。

鈕とはこれです。

印鈕

この印面と反対側の獅子の部分を鈕(ちゅう)と呼びます。

(尚、鈕とはハンコのみに使われる用語ではなく、鏡や香炉などにも使われる言葉です)

つまり、鶏頭鈕とは鶏の頭の鈕という事になります。

興味ない方には「へ~ それがどうしたの?」となるかも知れませんが、鶏頭鈕を語る上で、ハンコの歴史について

ごく簡単に書いてみたいと思います。

長い歴史を要点だけ書いても長くなりますので、ほんのササ~っと書きます。

印章の起源は紀元前5,000年頃、メソポタミアで用いられたものが最初と言われていますが、今の日本のハンコの

原点となる中国のハンコは、メソポタミアの起源からずっと後の殷の時代のものです。

しかし、印文も用途も不明であり、きちんと記録が残る印は春秋戦国時代のものと言われています。

年代で表しますと紀元前770年~221年頃になります。

今一般的に使われている円筒形6センチのハンコは、ハンコの長い歴史から考えますとごく最近用いられる様になった形です。

昔はほぼ全て角印で、庶民が使う事はほぼなく、ハンコと言えば官印(公印)や寺印、諸国印などを指しました。

で、鶏頭鈕の話は?・・・・

ですよね。

ハンコが重んじられる事は印が用いられた当初からで、鈕もそれぞれ意味が有り、はじめの頃の鈕の多くは環鈕

や壇鈕でしたが、次第に瓦鈕、鼻鈕、駱駝、亀鈕など様々な種類に増え、それぞえ身分、官職により異なり、

日本の国宝である金印(漢委奴国王)は蛇の鈕です。

また、多くの鈕には穴があけられており、それは鈕孔と呼ばれ紐(ひも)を通すの為のものですが、その紐の色も

官職の格の違いにより色が決められていました。

で、鶏頭鈕は・・・?

隋や唐と盛んに交流があった奈良、平安時代のおそらく日本の諸国印、神社印にのみみられた大変貴重な鈕です。

それがこれです。

鶏頭鈕 印章 印鑑

鶏頭鈕 印鑑 印章


奈良・平安時代の日本の印は銅製でしたが、これは当店にある柘で作られた鈕孔付きの鶏頭鈕の印材です。

未彫刻ですが、再作成が出来ないので値段が付けられない(現時点では)非売品扱いとさせていただいております。

(いずれは販売させていただこうかと考えております)

(現代の旋盤技術を用いれば再作成は可能なはずですが、引き受けていただける印材屋さんが見つかりません)


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Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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