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太枠・細篆書体

明治時代の印譜を続けます。

明治時代の印譜

実印とは印鑑証明用に登録された印章を指しますが、印章業界では普通フルネーム印を実印、姓またはお名前のみの印章を

認印と呼んでいます。

銀行印として使われるものでも、普通は銀行印とは呼ばれず認印と呼ばれます。

それはさて置き、ランダムでピックアップした印譜の1ページですが、ここには実印が7印影あります。

その内、6印影が太枠・細篆書体となっております。

篆書体でない(楷書体の)1印影は名前がひらがなの方です。

現在では印章字林という字典で篆書体風のひらがなが制定されていますが、当時はその様な字林はなかったので

「ひらがな名=篆書体以外の書体」でしたので、杉野さんの実印が太枠・細篆書体でないのは必然的です。

現在は「何でも有り」になってしまったので、「太枠・細字はダメ」と謳っているお店は少なくなりましたが、昭和40年代位から

それまでの印章の買い替えを促す為に「太枠・細字はいけない」と盛んに宣伝されたものでした。

太枠は文字を細くしても問題のない篆書体のみに用いられる作風です。(例外はありますが)

枠の太さと文字の細さでバランスをとった素晴らしい作風が出来るものが、開運印鑑商法の出現により今では

めっきり減ってしまったのが残念です。

そんな変わってしまった印章文化が頂点だった明治時代の印譜は、素晴らしい作風が多いです。

明治時代の印譜 手彫り印鑑

これは左ページの中央を拡大したものですが、右は「三村友吉」さんです。

横の直線しかない「三」と主に縦線で形成される「村」のバランスを考え大きさを変えてありますが、それでも違和感がありません。

篆書体以外の書体、例えば楷書体でその様な事をしてしまったら、文字の大きさの違いに違和感が生じますよね。

篆書体は、文字の画数に合わせて大きさやバランスを変えられる印章向きの素晴らしい文字なのです。

前回に続いて印相体の批判になってしまいますが、印相体の出現によって実務印の印章文化がメチャメチャにされて

しまいました。

ですので、正しい印章を知るには、正当な文献と印相体が創作される前の印譜を研究する事です。


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Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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