FC2ブログ

この差って何ですか 2

前の記事でTBSテレビ「この差って何ですか?」に協力させていただいた事を書きましたが、今回はその続きです。

この話が当店に来た理由は・・・ 

同業者さんからの話ですと、当初はいろいろな印章店に電話で問い合わせをしていたらしいですが

当店はその内の一つに過ぎず、いくつか情報提供をしたものの反応が今ひとつで「ボツだな」と考えておりました。

そんな折、暫く経ってから再度電話があり、「是非協力して下さい」と依頼された事からはじましました。

何故うちに・・・?

それは採り上げられる話題からすれば必然的な理由からです。

長くなりますので多少省略しますが、番組で採り上げられる話題は「はんこ」と「印鑑」の違いについてです。

その語源を調べる内に 「江戸時代の正しい資料(情報)」 が必要になり、当店に話が舞い戻ってきた訳です。

グーグルの画像検索で「江戸時代 印鑑」と検索しますと(検索順位は変動するものの)このブログの画像が多く表示されます。

ちなみに「明治時代 印鑑」でも同じくこのブログが多く表示されます。

「ネットで江戸時代や明治時代のハンコを調べようとするとこのブログに辿り着く」

まさにこれが私の理想とした事だったのですが、今回の「この差って何ですか」がズバリこれに当てはまりました。

また、ゴールデンタイムに放送される情報番組として 「正しい情報」 が必要で、それは印相体に関する私の説明を

読んでいただければ、当店に辿り着くのは必然的でした。 (自画自賛ですみません)

当店に再度話が来た時は話題が既に 「ハンコと印鑑の違いについて」と決まっていたのですが、ディレクターさんが

その根拠探しに苦労していました。

印相体 吉相体 開運印鑑
(画像はTBSテレビ この差って何ですか? より)

今巷ハンコは印鑑と呼ばれてしまっておりますが、正しくは印章(他の呼び名もありますが)と呼ばれ、印鑑とは

登録された印影の事を指す。

これは印章業に従事する人であればほぼ誰でも知っている事なのですが、「巷の印章店さんから聞きました」では

テレビ局的にはダメらしいのです。

まあ、考えてみれば当然ですよね。

ちなみに印章業界で広く用いられている「とある字典」に印章と印鑑について少し書かれているのですが、それでも

テレビ局的には不完全との事です。  

(字典が悪い訳じゃないですので誤解防止の為字典名は伏せます)

ここからディレクターさんと私との二人三脚が始まりました。

二人三脚と言うと大げさかも知れませんが、途中から大阪の大学の講師さんが加わり三人四脚になり、

学術的お墨付きを得て放送へと繋がります。

印鑑と印章 印相体開運印鑑

これはディレクターさんからいただいた台本です。

話題の相談から歴史監修、そして台本チェックまで任せていただき、今回の取材は大変思い出深いものとなりました。


~なぜハンコは印鑑と呼ばれる様になったか~

ハンコと印鑑は本体と印影という違いがあるのに、どうしてハンコが印鑑と呼ばれるようになってしまったのか。

それは明治6年に始まった印鑑登録制度からです。

要約しますと、登録された印影を印鑑と呼んでいたのが転じて、ハンコ本体も印鑑と呼ばれる様になってしまったのです。

では、印章がどうして「はんこ」と呼ばれているのか。

江戸時代の印刷は木の板に文字や絵を彫って刷っていましたが、それが版行(はんこう)と呼ばれる様になり

やがてその版行に用いられる木の板そのものが版行と呼ばれる様になったのです。

印刷ですから何枚も同じものを摺る事が出来ますが、印章同じものをいくつも押せるという事で、摺る事と押す事が

似た行為という事で印章がはんこと呼ばれる様になったのです。

この事は今から25年位前に神奈川県印章高等職業訓練校で習った事なので、是非採り上げていただきたかったのですが

テレビ局的には「・・・で習いました」という事をそのまま放送に繋げられないので学術的な後ろ盾が必要でした。

前述した大阪の大学の講師の先生は、直接古文書を解読したりして調べた第一人者と言えますので、その先生の

お墨付きをいただき、今後は晴れて堂々と 「はんこの語源は版行」 と言えるようになりました。

「25年前に神奈川印章訓練校で教わった事が、今テレビのゴールデンタイムで放送される」

当時はもちろんこうなるとは思っておりませんでしたが、それにしても訓練校に感謝です。

はんこ(印章)が印鑑と呼ばれている事には、私も含め我々印章業界関係者にも責任があります。

「手彫り印鑑」 「印鑑ケース」など、本来「印章」と付けなければいけない部分を、消費者様がわかりづらいという理由で

「印鑑」と名付けてしまっております。

今、お店に来るほぼ全てのお客様は印章の事を印鑑と呼びます。

「すみません、印鑑下さい」

「ゴム印ですか? それとも朱肉を付けて押すハンコですか?」

「はい、インク付けて押す印鑑です」

こんな感じで、印章は印鑑、朱肉はインクと呼ばれる事が多くなってしまいました。

浸透印が総じてシヤチハタと呼ばれている様なものです。 

印章と印鑑の違いがゴールデンタイムに放送されたという事は、印章業界にとっては大変有意義だったと思います。

印鑑と印章 印相体開運印鑑
(画像はTBSテレビ この差って何ですか? より)

上の写真内「印章」という文字の「印」の左側に写っているなつめ印は撮影用に当店が貸し出ししたものです。
(他の印材は違います)

印鑑と印章 印相体開運印鑑
(画像はTBSテレビ この差って何ですか? より)

これは放送された当店の看板です。

以上ですが、少し間を開けて「番外編」もそのうち書かせていただこうかと思います。


ブログ編集者





プロフィール

Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR