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小倉藩 藩札の八方崩し

今回は豊前國・小倉藩(現在の福岡県北九州市小倉北区)の藩札「覚 一銭貮百文」です。

豊前國小倉藩 藩札 覚一銭貮百文






小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り





小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り





小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り柳葉篆・笹文字

印が彫られておりますね。

向かって左側の角印は大篆(柳葉篆・笹文字)です。




小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り

こちらは反対面です。

藩札によくある縁起模様が彫られております。






小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り
天保14年:1843年ですから、今から170年前の藩札です。





そして、ここからが今回小倉藩の藩札を紹介した目的になります。

丁寧に彫られた宝尽くし模様の中に、迫力一杯の八方崩し。

そう これが本物の八方崩しです。

小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り

何という文字が彫られているか読めますでしょうか。

判読できないですよね。

これが本物のしるしです。

もっとも、今と違いこの時代は偽物の八方崩しなどありませんでしたので、本物か偽物かなどの

概念で八方崩しを語るのは間違っていますね。

小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り

お札が偽造されては困るのは今も昔も一緒です。

藩札は楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)や雁皮(ガンピ)など、和紙同様の原料が使われておりますが

原料や色素の調合は極秘とされていたそうです。

確かに、実際触ってみれば普通の紙と違う事がわかります。

偽造防止の方法としては、細密な彫刻(密刻)をほどこし、文字も丁寧に彫らせて真似できないようにされ、

中には当時の庶民が知らないはずのアラビア数字やアルファベットが彫られていたもの

また、隠し文字が彫られていたものもありました。

「読めなければ偽造も難しい」という目的からですが、それでも藩札の偽造は後を絶たなかったそうです。

偽造が後を絶たなかった理由は…

よく考えればわかりますよね。

「例え文字が読めなくても同じように彫ってしまえば偽造できてしまう」という理由です。

もちろん、読めない文字を藩札に入れるだけでは容易に偽造されてしまうので、密刻をほどこして

防雁(偽造対策)をしたのです。


繰り返しますが、防雁としての密刻は、簡単に真似できない彫刻技術です。

防雁としての隠し文字は、偽造する際に隠し文字を見落として偽札が作られるようにされたものです。

(隠し文字を見落として偽造すれば、隠し文字が彫られているか否かで真券か判断できます)

八方崩しはと言いますと、前述したアラビア数字やアルファベットが彫られていたのと同じ理由です。

隠し文字の反対で、「文字隠し」とでも言うべきでしょうか。

これが防雁としての効果は一番薄いですが、何という文字が彫られているかわからなければ偽造されない

だろうという目的です。

そうです。

本物の八方崩しは読めてしまってはいけないのです。

迫力のある本物の篆書体八方崩しをもう一度ご覧下さい。

小倉藩 藩札 覚一銭貮百文 手彫り

離れた場所から見ても本物の迫力が十分伝わる篆書体八方崩しです。





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Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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