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良さ・特徴・趣 【どういいのか】

勝手気ままな方針とはいえ、明治時代の印影ばかりでうんざりしていた方も居らっしゃると思います。

このブログは古い印影を中心に公開していく方針ですが、今回は最近彫ったものを公開させていただきます。

手彫り印鑑

正真正銘の完全手彫り印鑑です。  (印章彫刻定義では「手彫り印鑑」です)

今回の記事では古い印影を載せず、最近彫った印鑑を載せたのには理由があります。

説明の前に一言 今回はお店の宣伝も混ざりますが、記事の趣旨はあくまでも「手彫り印鑑の本来の姿」

の紹介です。

多少の宣伝はご容赦願います。



「自分では当たり前だと思っていた事でも、他の人から考えれば当たり前ではない」

こんな事はよくある話ですよね。

日頃気を付けているつもりでも、他の人から言われてハッと気付く時もあります。

それが今回この記事を書いた理由です。

本当はお店のホームページに載せるつもりで彫ったものですが、まずはブログで紹介させていただきます。


「手彫り印鑑ってどこがいいんですか?」

「機械彫り印鑑と手彫り印鑑の違いって何ですか?」

という質問をいただく時がたまにあります。

そんな基本的な事は説明するまでも無いと当たり前のように考えていた私にとって意外な質問でした。

ハンコ屋の私にとって当たり前の事であっても、印鑑に馴染みが薄いお客様にとっては当然有り得る疑問

だった事に気付いていなかったのです。

(最近初めていただいた質問ではなく、インターネットで印鑑を販売してからたまにいただく質問です。)


完全手彫り印鑑

その質問の中に

「土手がいいのですか?」とか「偽造防止で手彫りにしたい」という話をよくいただきます。


1)文字や枠を土手状に彫れば確かに耐久性は増します。

2)偽造防止には同一の印鑑が複数作れてしまう機械彫りより手彫りの方がいいです。


でも、手彫り印鑑の本当の良さはそのような実務的な事ではないのです。

私の持論に過ぎないかも知れませんが、本当の良さは「優れた職人にしか彫れない素晴らしい文字」

にあるのです。

印鑑は文字が命です。

技量のある職人が丁寧に彫る素晴らしい文字が何と言っても「手彫り印鑑」の魅力なのです。

土手の耐久性や偽造予防はその副産物に過ぎません。

(私は説明以前に当たり前だと思っていたので説明を省いておりました)


ここで改めて上の写真を拡大したものを載せます。

手彫り印鑑

うまく写っていないのは撮影技術の問題ですのでご容赦願います。

また、撮影前に何回も捺印しましたので朱が滲んでおりますが、彫刻は丁寧に行っております。


この拡大写真で見ていただきたいのは、底や文字の表面ではなく、文字の側面です。

いわゆる「土手彫り」の表現で言うところの斜めになる部分です。

お気付きでしょうか。

土手状には見えませんよね。

これはもちろん「機械彫りを手彫りっぽく見せる底さらい(底彫り)をした印鑑」ではありません。

(粗彫り途中の写真をご覧下さい 機械彫りではこのような写真は撮れません 正真正銘の手彫り印鑑です)手彫り印鑑 粗彫り 手彫り印鑑の粗彫り

「本来の手彫り」と言ってしまうと異論があるかも知れませんので表現に気を付けなくてはいけませんが

「丁寧な手彫り」とはこういう彫り方をいいます。

では、土手彫りにしなくて耐久性は? と心配でしょうか。

ご心配は無用です。

柘と象牙では耐久性は格段に違ってきますが、粗悪品でなければそれなりの耐久性は

元々印材に備わっています。

もちろん柘の細枠印鑑で捺印の際、強力な力で斜め(枠が部分的に当たるよう)に押せば枠が折れてしまう

場合もあります。

しかし、例外を基準に考えるのではなく、本来の姿をもととして考えるべきです。

柘の耐久性が心配なら象牙にすればいいのです。

枠が折れてしまう心配があるならば乱暴に押さず普通に押せばいいのです。

印鑑の摩耗・欠損はまず枠からです。

枠のみ土手状にするなら問題ありませんが、過度な土手、故意な土手彫りをしてはいけないのは

文字です。

印鑑の命である文字はどうして土手彫りにしないのでしょうか。

これは職人であれば誰しもわかる事ですが、逆に職人でなければピンとこないかも知れません。

土手状にするのであれば最終工程の「仕上げ」でする事になりますが、その反面、前工程の

「粗彫り」では出来上がりの文字より随分太目の文字で粗彫りを終えなくてはいけません。

表現を変えますと、雑な粗彫りになってしまいます。

きちんとした文字を彫るには、丁寧な粗彫りが必要です。

「仕上げ」は必ずしなくてはいけませんが、文字通り「仕上げ」であって、文字の基本を形成するのは

あくまでも粗彫りです。

工程の分類上「粗」と書かれておりますが、決して雑に彫る事を意味する訳ではありません。


こう書きますと、腕自慢の技術者さんから「私は腕がいいから粗彫りを雑にしても仕上げで整えられる」

と反論されてしまいそうですが、腕がいいのであれば粗彫りを丁寧に行い、仕上げで更に整えれば

最高の手彫り印鑑が出来上がるのではないでしょうか。

目的の文字の形と大きく異なる粗彫りでは、美しく仕上げるのが大変です。

腕自慢の職人さんならば全ての工程を丁寧に彫ってこそ最高の印鑑が出来るはずです。



では、土手は無視するべきなのでしょうか。

いいえ 私はそうは書いておりません。

土手はあくまでも副産物なのです。



丁寧な手彫りは土手が少ないですが、細かい部分は深く彫れず必然的に土手状になります。

丁寧に彫られた手彫り印鑑では、印面の弱い細かい部分はそれに応じた土手になる自然の副産物が

手彫り印鑑の耐久性なのです。

これを説明せず、まず第一に「土手有りき」という誤った説明をしてはいけません。

土手の説明で最後に重要な事を

印顆(はんこそのもの)を提出する印章技術競技会では粗彫りも採点の対象になります。

粗彫りが雑にな作品は絶対に受賞しません。

土手彫りよりも粗彫りの丁寧さが重視されます。



偽造については長い説明は不要ですね。

紙に自分の名前を書いてみて下さい。

そして、転写したりせずもう一度書いてみて下さい。

これを重ねてみても全く同じにはなりませんよね。

これはハンコ屋の私が説明しなくても皆さんおわかりだと思います。

現在は機械的な複製も出来てしまうので絶対とは言いきれませんが、可能性は少なくなります。

偽造されにくい印鑑を作ることは重要な事の一つですが、これも副産物に過ぎません。



長い記事になってしまいましたが、手彫り印鑑の本当の良さとは

「優れた職人にしか彫れない素晴らしい文字」なのですが、これは説明するより

写真を見ていただいた方がいいと思いますので、最初の写真を拡大したものですがご覧下さい。

印章用PCフォントではこのような文字の趣はありません。

長い説明は不要の手彫り印鑑の良さ、味わい、趣をご覧下さい。

手彫り印鑑
論より証拠の丁寧に彫った手彫り印鑑です。

最後に宣伝で失礼します。

最高の手彫り印鑑を作る店 はんこの印善

手彫り印鑑の定義
手彫り印鑑について




文の最後にお店のURLリンクを入れて一旦記事を書き終わりましたが、手仕上げについて言及するのを

忘れていました。


★★手仕上げについては改めて書かせていただきます★★













プロフィール

Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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