明治時代の手彫り印鑑
明治時代の手彫り印鑑 印譜より。

中輪+古印体の印鑑ですが、文字の周囲に紋章の様なものが彫られているのはおわかりでしょうか。
「紋章の様なもの」と書いてしまいましたが、篆書体で「守口」さんと彫られていますね。
これは今では大変珍しいですが、昔は少ないながらも珍しいというものでもありませんでした。
実は当店でもこの様な作風はお承り可能です。
画数の多い文字は横向きの回文に出来ませんので、ホームぺージから自動でという事には出来ませんが、横向きの回り文字をご希望の方は、是非お問い合わせ下さいませ。

草書古印体斜め+細輪二重枠です。
二重枠にするだけで、雰囲気が大きく変わりますね。
素晴らしい作風です。
ブログ編集者
---------------------------------------------------------------
何度も載せている上野の不忍池の昼と夜です。


蓮の葉の茂り具合で同じ日でない事がわかると思いますが、都会の雰囲気と緑と水が調和したいい景色ですね。

不忍の池とは無関係ですが、帰宅時に綺麗な夕焼けだったので思わず撮影。

これも不忍の池とは関係ありませんが、お気に入りスポットを通った時に綺麗な夕日が見えたので撮影。

中輪+古印体の印鑑ですが、文字の周囲に紋章の様なものが彫られているのはおわかりでしょうか。
「紋章の様なもの」と書いてしまいましたが、篆書体で「守口」さんと彫られていますね。
これは今では大変珍しいですが、昔は少ないながらも珍しいというものでもありませんでした。
実は当店でもこの様な作風はお承り可能です。
画数の多い文字は横向きの回文に出来ませんので、ホームぺージから自動でという事には出来ませんが、横向きの回り文字をご希望の方は、是非お問い合わせ下さいませ。

草書古印体斜め+細輪二重枠です。
二重枠にするだけで、雰囲気が大きく変わりますね。
素晴らしい作風です。
ブログ編集者
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何度も載せている上野の不忍池の昼と夜です。


蓮の葉の茂り具合で同じ日でない事がわかると思いますが、都会の雰囲気と緑と水が調和したいい景色ですね。

不忍の池とは無関係ですが、帰宅時に綺麗な夕焼けだったので思わず撮影。

これも不忍の池とは関係ありませんが、お気に入りスポットを通った時に綺麗な夕日が見えたので撮影。
印篆
印章用の篆書体をすごくお大ざっぱに分類しますと、古い順に大篆、小篆、印篆となりますが、今日は印篆についてです。
といっても学術的な事に触れますと一字一句気を付けて文章を考えなければいけませんので、サラッと雰囲気だけ触れます。
大篆は原始文字、小篆は秦の時代に統一された柔らかみのある篆書体で、印篆はその後文字通り印章用に角ばった形に変化させた篆書体です。
「印章用に角ばった」?? 「何故はんこ用だと角ばらせるの」???
漢字(篆書体)の起源はご存じの通り中国ですが、漢字のはんこも(発生はメソポタミアですが)中国から日本に伝来したものです。
今、日本の個人用のはんこは丸型が主流ですが、古代中国では個人がはんこを使うのではなく、公印としてはんこが使われ、その形はほぼ全て角型(印面の形状)でした。
印篆が角ばった形である理由は、角印にバランスよく収める為に篆書体を角ばった形に変えたからです。
と、堅苦しい説明からとなってしまいましたが、まずは印篆の実印の最高の見本の一つとされている日本銀行「総裁之印」からです。

背景から何に押されている印鑑かわかりますよね。
以前、印相体を見慣れているお客様から「何だこのスッカスカのはんこは!」 「これが最高の見本だなんて笑わせるな」 と怒られてしまった事があるのですが、もし仮に変な印影であるのなら、明治時代からずっと同じ印影が使われ続ける事はないですよね。
はんこは文字や作風の慣習を守っていれば、何もみんなが総裁之印風にしなくてもいいものですし、逆にみんなが同じ作風になってしまったら個性が無くなりますので、これは参考として解釈して下さい。
特徴は、一文字一箇所ずつ枠に接し、ちょうど円の中に正方形が収まる様に字配りした姿が美しいとされています。
ちなみに、同じ印影ではありますが、明治時代の「総裁之印」は枠から僅かに文字が離れているものもありますが、はんことしては枠に接しているか否かで正否を判断するものではなく、全体の作風で判断するものですので、問題ありません。

これは明治時代の一般の人の実印です。
作者と印文が異なり、多少上下と左右のバランスも異なるので雰囲気は変わりますが、基本的には同じ作風です。
次にこちら

文字が印面いっぱいに広がっているのは一目瞭然ですよね。
先に「日本銀行総裁之印が最高の見本の一つ」と書きましたので、ではこれはいけない作風なのか?と疑問が湧く人も居らっしゃるかも知れませんが、文字の美は多方面から評価されるものですので、「日本銀行総裁之印」が唯一の頂点という事ではありません。
今日は堅苦しい説明ばかりで、私の書く文章では今一つ意味がわからないかも知れませんが、印面いっぱいに文字を広げたこの印影をよく見て下さい。
枠に接する四方の部分の文字が欠けていますよね。
印面いっぱいに広げた作風を好む方は多いですが、「その場合は文字の一部が欠けます」と言うと大半のお客様は「欠けると困る」とおっしゃいます。
しかし、印篆で印面いっぱいに文字を広げる場合(いっぱいでなくても総裁之印風より文字を大きくとった場合)は必然的な事であり、印章の作風としては慣習上問題ありません。
起承転結の「結」がうまく書けませんが、「欠ける」と聞きますとあたかも「茶碗が欠ける」みたいに悪い事を想像する方も多いのですが、印篆を総裁之印風より大きくとった場合は、文字の一部が欠けますが問題ありません。
ブログ編集者
といっても学術的な事に触れますと一字一句気を付けて文章を考えなければいけませんので、サラッと雰囲気だけ触れます。
大篆は原始文字、小篆は秦の時代に統一された柔らかみのある篆書体で、印篆はその後文字通り印章用に角ばった形に変化させた篆書体です。
「印章用に角ばった」?? 「何故はんこ用だと角ばらせるの」???
漢字(篆書体)の起源はご存じの通り中国ですが、漢字のはんこも(発生はメソポタミアですが)中国から日本に伝来したものです。
今、日本の個人用のはんこは丸型が主流ですが、古代中国では個人がはんこを使うのではなく、公印としてはんこが使われ、その形はほぼ全て角型(印面の形状)でした。
印篆が角ばった形である理由は、角印にバランスよく収める為に篆書体を角ばった形に変えたからです。
と、堅苦しい説明からとなってしまいましたが、まずは印篆の実印の最高の見本の一つとされている日本銀行「総裁之印」からです。

背景から何に押されている印鑑かわかりますよね。
以前、印相体を見慣れているお客様から「何だこのスッカスカのはんこは!」 「これが最高の見本だなんて笑わせるな」 と怒られてしまった事があるのですが、もし仮に変な印影であるのなら、明治時代からずっと同じ印影が使われ続ける事はないですよね。
はんこは文字や作風の慣習を守っていれば、何もみんなが総裁之印風にしなくてもいいものですし、逆にみんなが同じ作風になってしまったら個性が無くなりますので、これは参考として解釈して下さい。
特徴は、一文字一箇所ずつ枠に接し、ちょうど円の中に正方形が収まる様に字配りした姿が美しいとされています。
ちなみに、同じ印影ではありますが、明治時代の「総裁之印」は枠から僅かに文字が離れているものもありますが、はんことしては枠に接しているか否かで正否を判断するものではなく、全体の作風で判断するものですので、問題ありません。

これは明治時代の一般の人の実印です。
作者と印文が異なり、多少上下と左右のバランスも異なるので雰囲気は変わりますが、基本的には同じ作風です。
次にこちら

文字が印面いっぱいに広がっているのは一目瞭然ですよね。
先に「日本銀行総裁之印が最高の見本の一つ」と書きましたので、ではこれはいけない作風なのか?と疑問が湧く人も居らっしゃるかも知れませんが、文字の美は多方面から評価されるものですので、「日本銀行総裁之印」が唯一の頂点という事ではありません。
今日は堅苦しい説明ばかりで、私の書く文章では今一つ意味がわからないかも知れませんが、印面いっぱいに文字を広げたこの印影をよく見て下さい。
枠に接する四方の部分の文字が欠けていますよね。
印面いっぱいに広げた作風を好む方は多いですが、「その場合は文字の一部が欠けます」と言うと大半のお客様は「欠けると困る」とおっしゃいます。
しかし、印篆で印面いっぱいに文字を広げる場合(いっぱいでなくても総裁之印風より文字を大きくとった場合)は必然的な事であり、印章の作風としては慣習上問題ありません。
起承転結の「結」がうまく書けませんが、「欠ける」と聞きますとあたかも「茶碗が欠ける」みたいに悪い事を想像する方も多いのですが、印篆を総裁之印風より大きくとった場合は、文字の一部が欠けますが問題ありません。
ブログ編集者
印鑑簿
久しぶりの紹介となる印鑑簿です。

ポートレートモードで撮ったらボカシが強過ぎました。

皆さん達筆なのですが、古い資料とはいえ住所が書いてあるので一部モザイクで失礼します。

ブログにアップした都合上の事なのですが、ファイル名がバラバラになり、順不同になってしまいました。
すみません。


細輪(細)+細篆書体も素晴らしいですね。
古い時代の印篆らしく、折り畳みの多い素晴らしい篆書です。

こちらはどっしりとした印篆。
空間を十分にとった作風も素敵です。
印相体や機械フォントが出来る前の印影は素晴らしい物が多いですね。

こちらはこの時代に一番多かった中輪(太枠)+細篆書体です。

こちらも空間を十分に確保した素晴らし印篆なのですが、印影の状態が悪いのが残念です。
経験からの推測ですが、押し方が悪いのではなく、印面が摩耗と欠損してしまった印章なのではないかと思います。
それほど昔は押印の機会が多かったのでしょう。

楷書体の印影です。
篆書体は中国で作られた書体ですので、日本の文字である平仮名の篆書体は(正式には)ありません。
今は全日本印章業協会が作成した印章字林に印章新体という篆書体がありますので、平仮名の篆書体の印も作れる様になりましたが、印章新体が作られる前は平仮名の印は楷書体で作られる事が多かったです。
(全て楷書体の場合や、漢字部分は篆書体にして、平仮名の部分は楷書体にするなどです)

これも印影の状態が悪いのが残念です。

これは篆書古印体に龍紋で、枠は擦れているのではなく細輪二重枠になっているようです。
印影の状態が良くないのが残念ですが、これは擦れて押された事よりも朱肉の状態が今一つだった為の様な気がします。

最後は篆刻調の素晴らしい角印です。
ブログ編集者

ポートレートモードで撮ったらボカシが強過ぎました。

皆さん達筆なのですが、古い資料とはいえ住所が書いてあるので一部モザイクで失礼します。

ブログにアップした都合上の事なのですが、ファイル名がバラバラになり、順不同になってしまいました。
すみません。


細輪(細)+細篆書体も素晴らしいですね。
古い時代の印篆らしく、折り畳みの多い素晴らしい篆書です。

こちらはどっしりとした印篆。
空間を十分にとった作風も素敵です。
印相体や機械フォントが出来る前の印影は素晴らしい物が多いですね。

こちらはこの時代に一番多かった中輪(太枠)+細篆書体です。

こちらも空間を十分に確保した素晴らし印篆なのですが、印影の状態が悪いのが残念です。
経験からの推測ですが、押し方が悪いのではなく、印面が摩耗と欠損してしまった印章なのではないかと思います。
それほど昔は押印の機会が多かったのでしょう。

楷書体の印影です。
篆書体は中国で作られた書体ですので、日本の文字である平仮名の篆書体は(正式には)ありません。
今は全日本印章業協会が作成した印章字林に印章新体という篆書体がありますので、平仮名の篆書体の印も作れる様になりましたが、印章新体が作られる前は平仮名の印は楷書体で作られる事が多かったです。
(全て楷書体の場合や、漢字部分は篆書体にして、平仮名の部分は楷書体にするなどです)

これも印影の状態が悪いのが残念です。

これは篆書古印体に龍紋で、枠は擦れているのではなく細輪二重枠になっているようです。
印影の状態が良くないのが残念ですが、これは擦れて押された事よりも朱肉の状態が今一つだった為の様な気がします。

最後は篆刻調の素晴らしい角印です。
ブログ編集者
明治時代の印章カタログ
何年か前に1~2度紹介した明治時代の印章カタログです。

インターネットで店名を検索しても見つからなかったので、既に廃業されたお店だと思いますが、何か問題が生じるといけませんので、表紙の紹介は出来ずにすみません。

印章カタログのトップページがゴム印から始まるのは違和感があるかも知れませんが、この頃は「印章は当たり前でゴム印が画期的商品だった」事でこの様な紹介の順になっているのだと思います。
「表定器器主印護」?? 「價械具及各謨」??って何でしょう? と思いますが、「護謨印各種及器具器械定價表」と読むのですね。
この辺は以前にも同じ様な事を書いた記憶があります。

という事で印章の紹介は中盤からになります。
天丸型に丹が付いていますね。
今では見掛けません。
左側の覆蓋式小饅頭と書いてある図は、下の右側が肉池(朱肉入れ)で左の飾りが付いたものが何と印章なのです。

小出しですみませんが、印用書体に「柳葉篆」がありますね。
今巷の印章店ではまず見られませんが、当店では普通にお承りさせていただいております。

「い号」と書いてあるのは正に柳葉篆ですね。
細輪(細枠)の二重枠が実にいい感じを醸し出していますね。
左側「ろ号」の親子二重枠+細篆書体も実に素晴らしいです。
やはり古い印鑑はいい物が多かったですね。
ブログ編集者
----------------------------------------------------------------

何回も紹介したと思いますが、茅葺屋根の長屋門です。
1カ月位前に茨城へ行った時のものです。

かわってこちらはお店の近くの旧安田庭園。
日本も生活様式はすっかり欧米の影響を受けておりますが、日本人にとってやはり和風の風景は心を和らげますね。

インターネットで店名を検索しても見つからなかったので、既に廃業されたお店だと思いますが、何か問題が生じるといけませんので、表紙の紹介は出来ずにすみません。

印章カタログのトップページがゴム印から始まるのは違和感があるかも知れませんが、この頃は「印章は当たり前でゴム印が画期的商品だった」事でこの様な紹介の順になっているのだと思います。
「表定器器主印護」?? 「價械具及各謨」??って何でしょう? と思いますが、「護謨印各種及器具器械定價表」と読むのですね。
この辺は以前にも同じ様な事を書いた記憶があります。

という事で印章の紹介は中盤からになります。
天丸型に丹が付いていますね。
今では見掛けません。
左側の覆蓋式小饅頭と書いてある図は、下の右側が肉池(朱肉入れ)で左の飾りが付いたものが何と印章なのです。

小出しですみませんが、印用書体に「柳葉篆」がありますね。
今巷の印章店ではまず見られませんが、当店では普通にお承りさせていただいております。

「い号」と書いてあるのは正に柳葉篆ですね。
細輪(細枠)の二重枠が実にいい感じを醸し出していますね。
左側「ろ号」の親子二重枠+細篆書体も実に素晴らしいです。
やはり古い印鑑はいい物が多かったですね。
ブログ編集者
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何回も紹介したと思いますが、茅葺屋根の長屋門です。
1カ月位前に茨城へ行った時のものです。

かわってこちらはお店の近くの旧安田庭園。
日本も生活様式はすっかり欧米の影響を受けておりますが、日本人にとってやはり和風の風景は心を和らげますね。