手彫りゴム印
久しぶりになる手彫りゴム印です。

約60年前の印章技術競技会の受賞作品から。

渇筆(かっぴつ)の美しさが手彫りゴム印に生かされている素晴らしい作品です。

印文はこちら。

こちらは楷書体で、書道のお手本の様な素晴らしい作品ですね。
ブログ編集者

約60年前の印章技術競技会の受賞作品から。

渇筆(かっぴつ)の美しさが手彫りゴム印に生かされている素晴らしい作品です。

印文はこちら。

こちらは楷書体で、書道のお手本の様な素晴らしい作品ですね。
ブログ編集者
鶏頭鈕
一つ記事が飛んでしまいましたが、前々話の続き昭和15年の印章業界紙「印章世界」からです。
今回印章世界からは表紙のみ。


ここに「鶏頭鈕」と書かれていますね。
読み方は「けいとうちゅう」です。
はて、何の事でしょうか。
まずは鈕から。
多くの資料で鈕とは印章の「つまみ」と書かれていますが、一般的に使われているハンコ(認印や銀行印)を見慣れている
方には「つまみ」と言ってもピンと来ないかも知れません。
鈕とはこれです。

この印面と反対側の獅子の部分を鈕(ちゅう)と呼びます。
(尚、鈕とはハンコのみに使われる用語ではなく、鏡や香炉などにも使われる言葉です)
つまり、鶏頭鈕とは鶏の頭の鈕という事になります。
興味ない方には「へ~ それがどうしたの?」となるかも知れませんが、鶏頭鈕を語る上で、ハンコの歴史について
ごく簡単に書いてみたいと思います。
長い歴史を要点だけ書いても長くなりますので、ほんのササ~っと書きます。
印章の起源は紀元前5,000年頃、メソポタミアで用いられたものが最初と言われていますが、今の日本のハンコの
原点となる中国のハンコは、メソポタミアの起源からずっと後の殷の時代のものです。
しかし、印文も用途も不明であり、きちんと記録が残る印は春秋戦国時代のものと言われています。
年代で表しますと紀元前770年~221年頃になります。
今一般的に使われている円筒形6センチのハンコは、ハンコの長い歴史から考えますとごく最近用いられる様になった形です。
昔はほぼ全て角印で、庶民が使う事はほぼなく、ハンコと言えば官印(公印)や寺印、諸国印などを指しました。
で、鶏頭鈕の話は?・・・・
ですよね。
ハンコが重んじられる事は印が用いられた当初からで、鈕もそれぞれ意味が有り、はじめの頃の鈕の多くは環鈕
や壇鈕でしたが、次第に瓦鈕、鼻鈕、駱駝、亀鈕など様々な種類に増え、それぞえ身分、官職により異なり、
日本の国宝である金印(漢委奴国王)は蛇の鈕です。
また、多くの鈕には穴があけられており、それは鈕孔と呼ばれ紐(ひも)を通すの為のものですが、その紐の色も
官職の格の違いにより色が決められていました。
で、鶏頭鈕は・・・?
隋や唐と盛んに交流があった奈良、平安時代のおそらく日本の諸国印、神社印にのみみられた大変貴重な鈕です。
それがこれです。


奈良・平安時代の日本の印は銅製でしたが、これは当店にある柘で作られた鈕孔付きの鶏頭鈕の印材です。
未彫刻ですが、再作成が出来ないので値段が付けられない(現時点では)非売品扱いとさせていただいております。
(いずれは販売させていただこうかと考えております)
(現代の旋盤技術を用いれば再作成は可能なはずですが、引き受けていただける印材屋さんが見つかりません)
ブログ編集者
今回印章世界からは表紙のみ。


ここに「鶏頭鈕」と書かれていますね。
読み方は「けいとうちゅう」です。
はて、何の事でしょうか。
まずは鈕から。
多くの資料で鈕とは印章の「つまみ」と書かれていますが、一般的に使われているハンコ(認印や銀行印)を見慣れている
方には「つまみ」と言ってもピンと来ないかも知れません。
鈕とはこれです。

この印面と反対側の獅子の部分を鈕(ちゅう)と呼びます。
(尚、鈕とはハンコのみに使われる用語ではなく、鏡や香炉などにも使われる言葉です)
つまり、鶏頭鈕とは鶏の頭の鈕という事になります。
興味ない方には「へ~ それがどうしたの?」となるかも知れませんが、鶏頭鈕を語る上で、ハンコの歴史について
ごく簡単に書いてみたいと思います。
長い歴史を要点だけ書いても長くなりますので、ほんのササ~っと書きます。
印章の起源は紀元前5,000年頃、メソポタミアで用いられたものが最初と言われていますが、今の日本のハンコの
原点となる中国のハンコは、メソポタミアの起源からずっと後の殷の時代のものです。
しかし、印文も用途も不明であり、きちんと記録が残る印は春秋戦国時代のものと言われています。
年代で表しますと紀元前770年~221年頃になります。
今一般的に使われている円筒形6センチのハンコは、ハンコの長い歴史から考えますとごく最近用いられる様になった形です。
昔はほぼ全て角印で、庶民が使う事はほぼなく、ハンコと言えば官印(公印)や寺印、諸国印などを指しました。
で、鶏頭鈕の話は?・・・・
ですよね。
ハンコが重んじられる事は印が用いられた当初からで、鈕もそれぞれ意味が有り、はじめの頃の鈕の多くは環鈕
や壇鈕でしたが、次第に瓦鈕、鼻鈕、駱駝、亀鈕など様々な種類に増え、それぞえ身分、官職により異なり、
日本の国宝である金印(漢委奴国王)は蛇の鈕です。
また、多くの鈕には穴があけられており、それは鈕孔と呼ばれ紐(ひも)を通すの為のものですが、その紐の色も
官職の格の違いにより色が決められていました。
で、鶏頭鈕は・・・?
隋や唐と盛んに交流があった奈良、平安時代のおそらく日本の諸国印、神社印にのみみられた大変貴重な鈕です。
それがこれです。


奈良・平安時代の日本の印は銅製でしたが、これは当店にある柘で作られた鈕孔付きの鶏頭鈕の印材です。
未彫刻ですが、再作成が出来ないので値段が付けられない(現時点では)非売品扱いとさせていただいております。
(いずれは販売させていただこうかと考えております)
(現代の旋盤技術を用いれば再作成は可能なはずですが、引き受けていただける印材屋さんが見つかりません)
ブログ編集者
総裁之印
ブログを始めて1年半位はどの印影を載せたか、多分全て把握しておりました。
1年半もそれが続くと、ずっとそうであろうという気持ちになってしまい、「どれを載せてどれが未だだったか」
という記録は、ほんの一部を除いてつけていませんでした。
ですので、これは初めて載せるつもりでおりますが、既に過去紹介済みでしたら申し訳ございません。
という言い訳を(PC表記で)4行にもわたって書いてしまいましたが今回はこれです。
折り畳まれていた小さな古文書でしたので、今まで全く気付きませんでしたが、いいものを発見。

達筆な書で、最後に黒印という典型的な江戸時代の典型的な古文書ですが、実は裏面に印が沢山押されています。
裏面は後日紹介させていただく事にし、今日はこれです。

素晴らしい印篆です。
文字数や多少線の太さの違いはあるものの、実印の最高の見本の一つとされる、日本銀行「総裁之印」と同じ作風です。

何度も紹介している印章資料「印海」から実印の最高の見本であるとの事が書かれている一文です。
尚、アンダーラインの下に印相体は変わった文字(=変な文字)であると書かれていて、その下に「勝手な崩し方では無い」
という部分が、誤解を招くといけませんので説明させていただきます。
勝手な崩し方=印相体
勝手な崩し方ではない(印章文字)=篆書体
ですので、誤解のないようお願いします。
まあ、前後の文脈からわかりますよね。

これは藩札に混ざり保管されていた当店の古札です。
日本銀行「総裁之印」は今のお札とほぼ同じですが、大変細かい1点が異なるのはおわかりでしょうか?

それの答えとは別ですが、この拾銭札の総裁之印は今のお札と違って下の柄枠に印鑑の枠が接しているのですね。
まあ、上に書いた「大変細かい1点が異なる」という点は、「1画多い」とか謎を呼ぶような問題ではなく
「印鑑の枠が柄枠に接している」みたいなその程度の違いです。
今回はクイズが目的ではなく、日銀「総裁之印」は実印の最高の見本の一つという紹介ですので、それについてもう少し。

前の記事(鶏頭鈕)にも書きましたが、昔の中国の印章はほぼ全て四角形でした。
印章に使われる文字:篆書体も四角い印の形に合わせ、四角い空白が埋まるように、そして角ばった形に変化してきました。
それが篆書体の中でも印章に用いられる、その名の通り「印篆(いんてん)」です。
では、四角(角印)ではなく、丸い印に印篆をうまく入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
答えは上の画像にありますので、私が説明するより上の画像をご覧下さい。
点線で囲まれた「総裁之印」をご覧いただいた後に、上の江戸時代の古文書に押された黒印をご覧いただければ
素晴らしい印篆、素晴らしい印鑑である事がおわかりいただけるかと思います。
ブログ編集者
1年半もそれが続くと、ずっとそうであろうという気持ちになってしまい、「どれを載せてどれが未だだったか」
という記録は、ほんの一部を除いてつけていませんでした。
ですので、これは初めて載せるつもりでおりますが、既に過去紹介済みでしたら申し訳ございません。
という言い訳を(PC表記で)4行にもわたって書いてしまいましたが今回はこれです。
折り畳まれていた小さな古文書でしたので、今まで全く気付きませんでしたが、いいものを発見。

達筆な書で、最後に黒印という典型的な江戸時代の典型的な古文書ですが、実は裏面に印が沢山押されています。
裏面は後日紹介させていただく事にし、今日はこれです。

素晴らしい印篆です。
文字数や多少線の太さの違いはあるものの、実印の最高の見本の一つとされる、日本銀行「総裁之印」と同じ作風です。

何度も紹介している印章資料「印海」から実印の最高の見本であるとの事が書かれている一文です。
尚、アンダーラインの下に印相体は変わった文字(=変な文字)であると書かれていて、その下に「勝手な崩し方では無い」
という部分が、誤解を招くといけませんので説明させていただきます。
勝手な崩し方=印相体
勝手な崩し方ではない(印章文字)=篆書体
ですので、誤解のないようお願いします。
まあ、前後の文脈からわかりますよね。

これは藩札に混ざり保管されていた当店の古札です。
日本銀行「総裁之印」は今のお札とほぼ同じですが、大変細かい1点が異なるのはおわかりでしょうか?

それの答えとは別ですが、この拾銭札の総裁之印は今のお札と違って下の柄枠に印鑑の枠が接しているのですね。
まあ、上に書いた「大変細かい1点が異なる」という点は、「1画多い」とか謎を呼ぶような問題ではなく
「印鑑の枠が柄枠に接している」みたいなその程度の違いです。
今回はクイズが目的ではなく、日銀「総裁之印」は実印の最高の見本の一つという紹介ですので、それについてもう少し。

前の記事(鶏頭鈕)にも書きましたが、昔の中国の印章はほぼ全て四角形でした。
印章に使われる文字:篆書体も四角い印の形に合わせ、四角い空白が埋まるように、そして角ばった形に変化してきました。
それが篆書体の中でも印章に用いられる、その名の通り「印篆(いんてん)」です。
では、四角(角印)ではなく、丸い印に印篆をうまく入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
答えは上の画像にありますので、私が説明するより上の画像をご覧下さい。
点線で囲まれた「総裁之印」をご覧いただいた後に、上の江戸時代の古文書に押された黒印をご覧いただければ
素晴らしい印篆、素晴らしい印鑑である事がおわかりいただけるかと思います。
ブログ編集者
江戸明治印譜
何度か紹介している江戸時代後期から明治時代初期にかけての印譜です。

黒肉で押された印が多い印譜は、見ているだけでワクワクさせられます。
今回はこちら。

中輪(太枠)+細篆書体ですが、篆書体は畳篆ですね。
縁起模様の唐草も彫られている素晴らしい印鑑です。
実際こんな素晴らしい印鑑が日常で使われていたと考えるだけで「昔は良かったな~」と思ってしまいます。

一緒に写っている朱印はアルファベットが入っていますね。
ぎこちなさが残る「E」を考えますと、これを彫った職人さんは、アルファベットに馴染んでいなかったのかな?
とか想像してしまいます。
ブログ編集者

黒肉で押された印が多い印譜は、見ているだけでワクワクさせられます。
今回はこちら。

中輪(太枠)+細篆書体ですが、篆書体は畳篆ですね。
縁起模様の唐草も彫られている素晴らしい印鑑です。
実際こんな素晴らしい印鑑が日常で使われていたと考えるだけで「昔は良かったな~」と思ってしまいます。

一緒に写っている朱印はアルファベットが入っていますね。
ぎこちなさが残る「E」を考えますと、これを彫った職人さんは、アルファベットに馴染んでいなかったのかな?
とか想像してしまいます。
ブログ編集者
笹文字 柳葉篆
明治時代の印譜より笹文字の角印です。
笹文字は別名柳葉篆とも呼ばれますが、「笹」「柳」の葉を思い浮かべていただければ、その理由はわかると思います。

私はたまに「いずれ販売させていただく予定です」とブログで紹介はするものの、ご注文ページを
作成するに至らない事が多く、その件でお客様から「○年□月△日の記事の商品は購入出来ますか?」という
お問い合わせをたまにいただく事があります。
紹介したものの、きちんとした値段が付けられず非売品扱いにしてしまったり、準備が整わなかったりが大半で
ご期待いただいた方には大変申し訳ない気持ちでおります。
そんな中、構想から1年近く経過してしまいましたが、今回はきちんとした形にしてみました。
笹文字に関係あるものですが、それは順次紹介させていただきます。
小出しですみません。
ブログ編集者
笹文字は別名柳葉篆とも呼ばれますが、「笹」「柳」の葉を思い浮かべていただければ、その理由はわかると思います。

私はたまに「いずれ販売させていただく予定です」とブログで紹介はするものの、ご注文ページを
作成するに至らない事が多く、その件でお客様から「○年□月△日の記事の商品は購入出来ますか?」という
お問い合わせをたまにいただく事があります。
紹介したものの、きちんとした値段が付けられず非売品扱いにしてしまったり、準備が整わなかったりが大半で
ご期待いただいた方には大変申し訳ない気持ちでおります。
そんな中、構想から1年近く経過してしまいましたが、今回はきちんとした形にしてみました。
笹文字に関係あるものですが、それは順次紹介させていただきます。
小出しですみません。
ブログ編集者