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縁起のいい印鑑

明治時代の印譜からです。

青海波の手彫り印鑑 縁起がいいハンコに印相体は使われません

古い時代の印譜はどれも貴重な資料であり、私はどれも好きなのですが、特にこの印譜は大好きなものの一つです。

ですので、見過ぎて私の代で製本がボロボロになってしまっているのが心痛いところです。

今日は驚愕なこの印鑑を

青海波の手彫り印鑑 縁起がいいハンコに印相体は使われません

ちなみにサイズも驚きのサイズです。

青海波の手彫り印鑑 縁起がいいハンコに印相体は使われません

13.5ミリの中にこれだけのものが彫られています。

定規の目盛りと比べて見て下さい。

もう1ミリ以下のミクロの世界です。

「でも、このポコポコしているのは何?」 と疑問に感じている方は下をご覧下さい。


青海波の手彫り印鑑 縁起がいいハンコに印相体は使われません

この文様の名前を知らない人が居ても、見た事の無い人はいないでしょう。

私の大好きな吉祥文様一つである青海波(せいがいは)です。

吉相ではありませんよ。

吉祥です。

日本では鎌倉時代の陶磁器や蒔絵に用いられて有名ですが、起源はペルシャなどにあり、そこから中国を経て日本に

伝わったとされています。

当店を懇意にしていただいているお客様は 「それでこれだったのか」 と思っていただける事でしょう。

( 「文様の名の物語」 「日本の伝統文様」 の文章を参考にさせていただいております)


ブログ編集者

KF印章ケース

今回は印章ケース(印鑑ケース)についてです。

1部構成ではなく、2部構成または3部に渡って紹介させていただきます。

連続の記事で書けるかは何とも言えませんが・・・

私のお店では、実印及び象牙の印章をご注文いただきましたお客様には、KF印章ケースに入れさせていただいております。

お客様からたまに「KFって何ですか?」と聞かれます。

そこで今回は印章ケースに焦点を当てて紹介させていただきます。

まずはこちら。

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。

昭和49年発行の印判用品綜合カタログです。

当店では現役で使用しておりますので、実はボロボロになってしまったカタログです。

「物を大切に使うのは重要だけど、そろそろ新しいのに変えたら?」 とか言われてしまいそうですが

昔のカタログはいい物が沢山ありましたので、このカタログを使っているのです。

・・・と、そこから話を進めますと2部や3部では終わらなくなってしまいますので、印章ケースについて。

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。

このカタログで「高級印章ケース」として紹介されているのはKF印章ケースのみです。

それがこれです。

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。

小さな写真で申し訳ございませんが、現在では製造中止になったタイプも混ざっておりますので、誤解のない様小さな

写真とさせていただきました。

そんな「高級印章ケース」の代名詞てあるKF印章ケースがテレビで紹介されました。

テレビ東京「和風総本家」です。 (テレビ大阪)

実は、放送の1ヵ月位前でしょうか、当店にテレビ大阪の方から電話で取材申込みがありまして、その内容は

「印鑑ケースって、どうして前と後ろの形が対称じゃないんですか?」という質問でした。

電話でいろいろ話をさせていただき、話は印章そのものについても及び・・・

・テレビ大阪さん 「取材に行っていいですか?」

・私 「いいですけど、大阪からわざわざお越しになるのですか?」

・テレビ大阪さん 「いえいえ 東京の支社からです」

・私 「左右対称ではない理由は●▲◆■ですが、ケースの事はケース製造元さんに聞いた方がいいのではないでしょうか?」

・テレビ大阪さん 「そうですよね」

という事で高級印章ケース=KF印章ケースという事で、直接製造元さんへの取材となりました。

4月6日放送の「和風総本家」はこちら。

(画像はテレビ画面をカメラで撮るというアナログ的な方法で撮影したものです)

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

「何を作っている職人さんでしょうか?」というクイズ形式での紹介です。

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)      

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)                  (この工程は全て共通という事ではありません)

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

この番組をご覧になった方からは「もっといい場面がありましたよね?」とご指摘をいただいてしまいそうですが、

確かにもっといい場面は多くありました。

ただ、職人さんの顔が写ってしまったり、全部のケース共通という訳ではない工程の場面もあり、あえていい場面は

職人さんの個人情報や製造工程誤解防止の為、除いてここで紹介させていただきます。

まあ、いずれにしろ高級印章ケースならではのうなる様な製造方法が紹介されていました。

だからテレビでも紹介されたのでしょう。

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。
(和風総本家より)

これが完成品ですね。

KFトカゲケース 印相体は良くない書体です

トカゲ革メッキ(枠)ケースです。

少し話を戻しますが、ケースの左右(前方と後方)が対称ではないのはおわかりいただけるでしょうか。

こちら↓の方が見やすいかも知れません。  

手彫り印鑑にはKF印章ケースをどうぞ。 ハンコは印相体、吉相体ではなくきちんとした篆書体で作りましょう。

答えは上の画像の中に書いてありますね。

今一つよく分からない方へ、テレビ画面ではなく当店で撮影した写真を用意しました。

印章ケース 印鑑ケースの開き方

そうです。

厚い方が手前にくる様に持ってケースを開けば、印章が下に来るように開く事が出来るのです。

ただ、細いケースなどでわかりづらい場合もあります。

そんな方へのもう一つの判別方法がこちら↓

印章ケース 印鑑ケースの開き方

ケースの口金の片方のみに溝が入っているのです。

ですので、溝の無い方が手前にくる様に持って開くと、印章が下蓋くる様に開ける事が出来るのです。

これはKF印章ケース以外でほぼも同じですので、皆様お手持ちのケースをご覧になってみて下さい。

もちろん、持つ手が逆だったりした場合は逆になりますので、あくまでも写真の向きを参考に応用して下さい。

高級印章ケースは大正元年創業 KF印章ケース。

現在は三代目の職人さんが作っております。

ところでKFとは・・・

創業者さんの苗字からアルファベット2文字をとったものです。

(この頃印章業界のメーカーさんには、アルファベット2文字会社名が多かったのです。)

基本的に全て受注生産品ですので、即日や数日での発送は出来ません。 (当店では若干作り置きしております)

(ケースの種類によっては、テレビで放映されたものとは違う工程で作成されています)

実はKF印章ケースは・・・

内張りトカゲ 印章ケース

ワニ革(外側)+内側トカゲ革貼り、イブシフクリン(枠)+牙蓋(肉池象牙蓋)という普通はなかなかお目に掛かれない

高級品も作成可能です。

KFケースのご用命は当店まではんこの印善


KF印章ケースⅡ

前回に引き続き、4月6日テレビ東京「和風総本家」で採り上げられたKF印章ケースについて。

KF[印章ケース イブシフクリン 手彫り印鑑にはKFケースをどうぞ。 印相体でハンコを作るのはやめましょう。
(テレビ東京「和風総本家」より)

職人の手作り印章ケースではあるものの、テレビで紹介された上の写真はごく一般的な形のものです。

今回は印章ケースの「枠」にピックアップをあててみます。

枠というのは、上の写真では銀色の部分の事です。

KF印章ケース 印相体は良くない書体です

こちらは当店で撮影したKFトカゲ革ケースです。

銀色の枠で、これはメッキ枠と呼んでいます。  (通称「メッキ」)

次にこちら。

KF印章ケース 印相体は良くない書体です

色は黒っぽくなりましたが、色以外、枠の周囲に縄状の飾りが付いているのをご覧いただけますでしょうか。

これはイブシフクリンと言います。

イブシフクリン?

これはたまにお客様に聞かれます。

「イブシ=燻し?」  「フクリン=縁起のいい輪?」

イブシは燻し調の事で、正式には赤銅メッキと言い、フクリンは「福輪」ではなく「覆輪」でふくりんと言います。

漢字とひらがなで表現すると「燻し覆輪」となります。

覆輪とは、甲冑や刀などの端部を飾りを兼ねて補強したものを言います。

KF[印章ケース イブシフクリン 手彫り印鑑にはKFケースをどうぞ。 印相体でハンコを作るのはやめましょう。

こちらは↑はよくあるメッキ枠ですね。 (革はトカゲです)

KF[印章ケース イブシフクリン 手彫り印鑑にはKFケースをどうぞ。 印相体でハンコを作るのはやめましょう。

重複しますが、枠の周囲に縄状の飾りが付いているのが覆輪(フクリン)です。

印章ケースに覆輪を付けるのは、KFケースオリジナルではありません。

他の製造元でも覆輪を付けたケースはありました。

「何だ~ オリジナルじゃないのか~」と残念がらないで下さい。

オリジナルではなく、慣習というところが逆に私はいいと思うのですが、どうでしょうか。

昔は他の印章ケース製造元さんでも覆輪はしていたものの、今はほとんどやっておらず、発注できるのはKFケースだけ。

こんな響き、私は大好きです。

(★全ての製造元や問屋さんを調査するのは無理ですので、「KFケースだけ」か否かは私見です)

KF[印章ケース イブシフクリン 手彫り印鑑にはKFケースをどうぞ。 印相体でハンコを作るのはやめましょう。


KF印章ケース 印相体は良くない書体です


覆輪は上蓋半分、下蓋半分となり、蓋の留め金の部分に覆輪はありません。

KFイブシフクリン印章ケース 印相体・開運印鑑撲滅の為のブログ

こちらはワニ革ケースのイブシフクリンです。

私のお店のホームページに注文ページはありませんが、いずれページは作成するつもりです。

作成は現時点でも可能ですので、ご希望の方は直接ご連絡下さい。

尚、以前はボコボコしたいわゆる「背ワニ」も取り扱っていましたが、現在KFでは背ワニケースは製造しておりません。

KFイブシフクリン印章ケース 印相体・開運印鑑撲滅の為のブログ

「ケースの中の小さな朱肉は使わないから、朱肉入れ(肉池)は無しで」という方には、朱肉入れ無しのタイプも

作成可能です。

これがオーダーメイドのいいところです。

また、こんなケースも。

KFイブシフクリン印章ケース 印相体・開運印鑑撲滅の為のブログ

ちょっと幅広ですが、これだけではよくわからないと思います。

こちらをご覧下さい。

KFイブシフクリン印章ケース 印相体・開運印鑑撲滅の為のブログ

手前のケースは15ミリ×60ミリ用の一般的なケースです。 (KFトカげ革メッキケース)

奥は、実印サイズ2本用の特注品です。 (KFトカゲイブシフクリンケース)

特注品は何もイブシフクリンでなくメッキでももちろん作成可能です。

手彫り印鑑には高級印章ケースのKFイブシフクリンケースを。

私のお勧めです。

★天然皮革ですので、写真と同じものは二つとしてなく、それぞれ異なる事をご了承くお願い致します。

★ご注文品のケースを「イブシフクリンケース」に変更ご希望の方は、直接ご連絡下さいませ。

外側の革は、牛皮・本チャリ・トカゲ・ワニから選べ、印章を置く場所の色は赤と紺が選べます。


KFケースのご用命ははんこの印善まで。

次は少し間隔を空けてから本チャリ革を特集します。

藩札 関宿藩 銀壹匁

下総國 関宿藩の藩札です。

「ええっ~? 次は本チャリケースについてじゃなかったの?」と思って下さる方は、このブログを良くご覧いただいている方ですね。

実は・・・印章ケースの話題が3連続ですと、ご覧いただいている方は飽きるのではないかと思い、少し間隔を空ける事にしました。

美味しいステーキも毎日食べたら飽きますからね。

(この記事を書くに当たり、前記事の最後の部分は若干修正しました)

という事で、今回は藩札を紹介させていただきます。

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

下総國 関宿藩 和泉大島郡伏尾新田飛地札 (文久10年)

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

お札に細かい文様が彫られているのは、今も昔も偽造防止の為ですね。

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)


藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

泉州 伏尾 銀壹匁

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

藩札は印章人には大変参考になります。

九本なくても、ここまで畳まれていれば畳篆ですね。

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

こちらは反対面ですが、藩札に多い縁起のいい図柄(大黒様)ですね。

お客様からのご注文品の文字を藩札で調べるのは、事実上無理ですが、印篆の曲げや畳み方など、大変参考になります。

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)


藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾)

藩札は篆書体の宝庫、見ているだけで参考になります。

藩札 関宿藩 銀壹匁(泉州伏尾) 本物の八方崩しでありこれは印相体ではありません

最後は本物の八方崩し。


ブログ編集者

捃印補正

寛政12年に出版された印章資料である捃印補正を紹介させていただきます。

以前に書いた事と重複しますが、この資料は明治期に復刻版が多く摺られたらしいので、

状態の綺麗さから、これは明治版と思われます。
捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。

庶民が実務的に使用していた印章ではなく、篆刻印影の資料です。

捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。

この資料のみではなく、戦前までの実務印譜を併せて見ますと大変勉強になります。

篆刻と実務で使用する印は、印章・印鑑という分野ではもちろん同じですが、多少考えが異なります。

どこにポイントを置いて考えるかによって答えは違ってきますが、一言で表現しますと「古色」を入れるか否かです。

わかりやすく言えば、欠けさせて「わびさび」を美として楽しむか否かです。

(実務印でも古印体など、例外はあります)

どこにポイントを置くかというのは、 「どこの国の人でも人間はみな同じ」 「いや、同じ人間でも欧米人と東洋人は違う」など

どこを基準とするかによって、おのずと答えは違ってくるという意味です。

捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。

これをそのまま実務用印にする事は無理がありますが、篆書体の伸ばし方、納め方などは応用として参考になります。

捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。


捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。

篆刻も時代により作風が違うのがわかります。

捃印補正 正しい印章資料に印相体や吉相体はありません。 開運印鑑は嘘で固められたインチキ品です。


篆刻美術館 ここに印相体の印鑑はありません

今年も行ってきました:茨城県古河市の篆刻美術館。

いい作品は見ているだけで勉強になります。

ここの凄いところは、膨大な印章資料です。

いつも夢中になって見てしまうのですが、必ず係員のお姉さんが 「この人大丈夫かな?」という風な感じで見回りにきます。(笑)

係員さんは定期的に変わるようですが、皆さん感じが良くていい美術館ですよ。

篆刻に興味がある人は是非行ってみて下さい。

いい資料が沢山ありますので、印相屋さんはここに行って是非 「本物の美」 に触れてもらいたいですね。


ブログ編集者

増補六書通

印章資料(篆書の字典)である増補六書通です。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

前にブログを書いた時は明治13年と書いていたのですが、ここには寛政11年(1799年)と書いてあるので、何かを

見間違えたかも知れません。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

主に印篆が載っている字典ですが、古文なども少ないながら載っています。

今は素晴らしい字典が沢山ありますが、江戸時代の字典には今の字典に無い崩しがあるので、貴重な資料です。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

印章人に字典は必ず必要な資料です。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

この図は再登場です(この話も再度になります)

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

これは文字(漢字)を最初に考えたと言われている伝説上の人物である蒼頡(そうけつ)だと思います。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

本文中央に「蒼頡」と書いてありますね。

蒼頡は鳥の足跡を見て「足跡は動物の種類によって異なる為、足跡から動物がわかる事から文字を創った」と言われております。

そしてその目の良さから目が4つあったとされています。  (あくまでも伝説です)

しかし、この絵を見ますと目が4つ書かれてはいないようですね。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

左ページの右の行に「・・・鳥跡・・・」とありますので、その事が書かれているのでしょう。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

まさにこの絵がその事を指しているのでしょう。

蒼頡の事は、印章教育を受けた人であれば必ず習う事だと思います。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です

字典は参考資料としてだけではなく、見ているだけでも故事に興味が湧いてくるものだと思います。

特に篆書体の字典は漢字の起源にも関係するのものですので、機会がありましたら是非見てみて下さい。

増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です


増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です


増補六書通 印相体はデタラメ書体、開運印鑑は嘘の塊です



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印篆

明治時代の印譜より
印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

今回は篆書体の中でも印篆(いんてん)をピックアップしてみます。

但し、学術的な事を書きますとなかなか文章が進みませんので、説明はほんの軽くとさせていただきます。

篆書体は常用漢字の原点となっておりますが、その篆書体は大きく分ければ(時代順に)大篆(だいてん)、小篆(しょうてん)

印篆(いんてん)になります。

・大篆は古い時代の篆書体で、笹文字風が多い。

・小篆は大篆を秦の始皇帝が統一した篆書体 (実務は役人の李斯:りし)

・印篆は角印に用いる為に角ばった形に変化させた篆書体。

大変簡潔な説明ですが、大ざっぱに言えばこうなります。

今回はその印篆です。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

長方形の印材にバチッと納まる素晴らしい字配りですが、これは印篆ならではの作風です。

パソコンでご覧いただいている方は拡大されていると思いますので、モニターから少々離れてご覧下さい。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

これも四方隙間なく文字が納まっている素晴らしい印篆です。

「隙間なく」といっても印相体のように篆書体の慣習、本来の形を逸脱し変形させた文字は、美として評価するのは論外です。

その証拠として、きちんとした美術競技会の印章部門で、印相体で彫られた印鑑は絶対に受賞しません。

これは美術界や印章業界では常識です。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

大篆には大篆の良さ、小篆には小篆の良さがありますので、印篆が一番という訳ではありませんが、この素晴らしい納まり。

向かって左側の印鑑は4文字ですが、画数(文字の混み具合)を考慮し字の大きさが均等ではありません。

しかし、不均等を感じさせない(それどころか)非常にバランスのとれた素晴らしい作風となっております。

これが印篆のいいところです。



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蔵書印

明治時代の同じ印譜からです。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

お馴染み柳葉篆(大篆風・笹文字)です。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

今はほとんど彫られていない笹文字ですね。

当店では自動注文の選択肢に設けておりませんが、ご注文いただければ普通に彫っております。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

屋号入りの印鑑です。

入り山形(左)は、いかにも江戸明治の屋号という感じがする趣のある形ですね。

印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

もちろん、この様な普通の山形屋号もいいものです。

上段に山形+寄席文字風のカタカナ、そして中央のどっしりとした印篆を左右の隷書体で引き立てる江戸後期から明治時代の

典型的な法人印です。

毎回しつこい様ですが、パソコンでご覧いただいている方は、モニターから離れて見てみて下さい。


素晴らしいの一言です。印篆 印相体 開運印鑑撲滅ブログ 業界の嘘を取り除きます

そしてこちらは蔵書印。

今年で23回目になる「蔵書印まつり」が今年も開催決定しました。

日にちは10月末もしくは11月最初の土日です。

この二日間の為にこれから約半年間、東京印章協同組合で熱い会議が毎月行われます。


ブログ編集者

印篆

明治時代の印譜を続けます。

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

つい先日と同じタイトルですが、今回も印篆について。印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

日本銀行総裁之印風の字配りですね。

「全然違うけど、どこが?」と疑問を感じるかも知れませんが、枠(円)の中に正方形を入れた字配りの中に

綺麗に整った印篆を入れる作風は、基本的に同じです。

「でも文字が枠に接しておらず、離れていますが・・・」 ですか?

日本銀行総裁之印も時期によっては枠から僅かに離れているものも存在します。

基本的に戦前のこの作風の場合は、僅かに枠から離すものが多いです。

毎度同じ言葉となりますが、パソコンでご覧の方は、モニターから少し離れてご覧下さい。

印面一杯に字配りをしないと損をした気分の方も多いと思いますが、整った印篆を十分な空間をとり字配りする作風は

「ハンコらしさ」が大いに感じられる素晴らしいものだと思いませんか?

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

次にこちら。

4文字ですが、4文字全て同じというものではなく、画数(文字の混み具合)によって大きさを違わせる印篆ならではの

絶妙な字配りです。

これは楷書体、隷書体などには出来ない、印篆ならではのものです。

ここからは「銀行印は横?」の記事に書いた事のおさらいとなりますが、下の参考資料をご覧下さい。

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

篆刻字典 (青山杉雨監修 師村妙石編 東方書房)ですが、このページは全て「石」の篆書体(印篆)です。

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

印篆はこの様に高さの低い作風や、

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

幅が極端に細い作風など、状況に応じ変化させらる印章用に作られた篆書体です。

同じ「石」でも楷書体でこの様にすると↓  (楷書体フォントを縦長と横長にしてみました)

印篆は印章用の書体ですが、印相体は嘘で覆われた最悪のデタラメ書体です

右上は仮に漢字の部首としてでしたら問題ありませんが、これはあくまでも「石」単独の文字です。

縦長も横長も、楷書体では無理がありますよね。

それに対し印篆は、状況に応じ縦長にも横長にも出来る印章に適した篆書体です。

今回はつい先日と同じ内容になってしまいました。

ブログ編集者


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開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

恒例の週末郊外です。

開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

田んぼは稲が植えられたばかりですが、麦はそろそろ収穫の様です。

開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

小麦の自給率は約1割らしいですから、このまま無事収穫される事を願います。(この辺りは川の氾濫が多くあります)

開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

これは私が管理している柘植です。

成長の遅い木ですので、目に見える違いはありません。

開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

アケビだと思いますが、植えてもいない場所に今年は実が成りました。

開運印鑑とは無縁の素晴らしい自然

これは全く管理していない杏で、大木の陰に隠れてしまったので、今年の収穫はこれのみ。

管理人

戦前の御朱印

戦前の御朱印です。

印文から関西身延本山妙傳寺の御朱印と思われます。

関西身延本山妙傳寺 印相体はデタラメと嘘の書体です


関西身延本山妙傳寺 印相体はデタラメと嘘の書体です

印文は「法鏡山」

前の記事のおさらいになりますが、縦に伸ばせる篆書体だからこそ、この様な字配りが可能なのです。

関西身延本山妙傳寺 印相体はデタラメと嘘の書体です

よく見ると二重枠の様ですね。

文字と文字とが離れており、比較的空間が多い作風ですが、それでも違和感の無い字配りが素晴らしいです。



ブログ編集者

印篆封緘印

明治時代の印譜から続けます。

印相体はデタラメと嘘の書体です

印相体はデタラメと嘘の書体です

前回の記事にそっくりな印鑑ですが、形が小判型の(今では珍しい)法人用の印鑑です。

印篆ならではの絶妙な字配りです。

印相体はデタラメと嘘の書体です

もしかすると再登場の印鑑かも知れませんが、封緘印です。

これは楷書体では絶対できない、篆書体(印篆)ならではの作風ですね。

これが篆書体、いや印章・印鑑の面白いところ、素晴らしいところです。

印相体はデタラメと嘘の書体です

これはどっしりとした中輪(太枠)に細篆書体。

「いかにも印鑑」という感じで耐久性抜群の古風な作風です。

印相体はデタラメと嘘の書体です

これは左右に細篆書体、中央には普通の太さの篆書体という、江戸後期から明治時代に多かった作風です。


印相体はデタラメと嘘の書体です

最後はこちら、このブログではお馴染みの「柳」です。

柳葉篆(別名 大篆風または 笹文字)と呼ばれる、今はほとんど彫られていない作風です。

ブログ編集者




實印集(実印集)

印章資料の實印集からです。

昭和25年(67年前)の発行ですので、当店の資料としてはそれ程古いものではありませんが

印相体が出来る寸前の印譜ですので、伝統的な印章文化を知る上で大変貴重な資料となっております。

同業者さんのお店で別バージョンを見た事もあり、多くの印章店が持っている事と思われます。

実印集(實印集)

実物を捺した印譜ではなく印刷ですが、印刷の状態が悪いのが残念です。

今回はこちら

太枠細字 印相体はデタラメ書体

どうって事無い太枠細字に見えますか?

別に「珍しいもの発表ブログ」ではないので、奇抜な必要なありませんが、どこか今の一般的な印鑑とは違う部分が

(枠や文字の太さ以外で)おわかりでしょうか。

小高光さん(高はハシゴ)ですが、その「光」という崩しは昔の職人特有の崩しです。

「祖父の印鑑持ってきたのですが・・・」という感じで古い印章をお持ち下さいる客様も多いですが、

昔のいい印章は大抵この様な崩しで彫られている場合が多いです。

総裁之印風 印相体はデタラメ書体

変わって、こちら細枠+印篆で日本銀行総裁之印風ですね。

印相体が創作される寸前の印譜はいいものが多かったので、見ていて飽きません。

できれば1印影づつ紹介していきたいので、左右の印影はモザイクですみません。


ブログ編集者

實印集(実印集) 続

實印集の続きです。
実印集(實印集)印相体は載っていません

今回は右ページの下段右から三番目のこの印影を紹介させていただきます。

実印集(實印集)印相体は載っていません

姓が朱文(しゅぶん)で名前が白文(はくぶん=白抜き文字)の珍しい実印です。

といっても、現在は白文では印鑑登録が出来ない自治体が大半ですので、この様な作風で実印をご検討の場合は

まず、登録する自治体へ事前に(登録可能か否か)確認する必要があります。

もちろん、印鑑登録しない印章の場合はご自身の自由で構いません。

實印集が連続しましたので、別の印譜から。

明治印譜印相体は載っていません

銀行の封緘印ですね。

現在の回文は多くが篆書体ですが、この時代は隷書体や楷書体の回文も結構ありました。

明治印譜印相体は載っていません

これは江戸時代からある作風ですので、黒肉で捺されていれも見栄えのする印鑑です。


ブログ編集者


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Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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