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印架

今回は印影ではなく、大正時代の印章カタログからピックアップさせていただきます。

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

古い印章カタログは、いい印章を知る上で情報の宝庫ですが、今回はゴム印に関係するものをピックアップしました。

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

にぎりの付いたゴム印をぶら下げて保管する印架です。

現在はパソコンで文章を作成する事が多いのでゴム印の使用頻度は減ってしまいましたが、ゴム印が多用されていた

昔はこの様な事務用品が沢山ありました。

ちなみに、私のお店でも現役で使用しております。

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

こんな感じでゴム印をぶら下げます。

「段一小形グンキ」??

普通に左から右へ読んでしまいますと意味がわかりませんが、「キング形小一段」ですね。

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

こちらは二段。

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

そして三段も。

残念ながら現在では同様のものは製造されておらず、ほとんど販売もされていない事でしょう。

「でも昔ながらの印架を使ってみたい!」 という方へ。

宣伝で恐縮ですが、私のお店では新品を販売しております。  (→ 印架大一段

印架 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

新品といっても、30年以上前に製造されたものですので多少の接触傷はありますが、使用には問題ありません。

「本文はパソコンで作成し、会社名はゴム印を捺す」という文章もいいと思いますよ。


さて、話は変わりますが、大変珍しいゴム印が載っているのでそれも紹介します。

(以前にもブログで紹介したかも知れません)

日付ゴム印 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

こちらは日付や数字を動かして使う回転ゴム印です。

今でも使われていますよね。

その拡大写真をご覧下さい。

日付ゴム印 【印相体・吉相体・開運印鑑は全てデタラメです】

大正時代は15年で昭和に元号が変わりましたが、この回転ゴム印は大正30年代まで使える仕様になっています。

カタログが作られた当時は、大正時代が15年で終わるという事は誰も予想しなかったのでしょう。

(それは当然ですよね)

もっとも、ゴム印は消耗品ですのである程度摩耗したら新しいものに作り替えるた方が良いです。

そうやってゴム印も併せて宣伝するつもりはありませんが、ゴム印が綺麗に押された書類はなかなかいいものですよ。

尚、スタンプ台の良し悪しによってもゴム印の鮮明さは大きく変わります。

すり減っていて、且つ目詰まりしたゴム印に使い古したスタンプ台では、どんな達人でも綺麗な印影は出せません。

ゴム印とスタンプ台はいいものを使いましょう。

はんこの印善

印章彫刻作業工程の図表と定義

今回は文章ばかりでつまらないかも知れませんが、印鑑(印章)作成を考えている消費者様には大変重要な事

ですので是非一読下さいませ。

印鑑(印章)彫刻には3通りの方法があり、その定義は公益社団法人全日本印章業協会により決められております。

これは公正取引委員会からの強い勧告に基づいて決められたもので、呼び名(呼称・名称・商品名・広告宣伝)に於いて

印章店は守らなければ重要な決まり事です。

定義された彫刻方法とは ①手彫り ②手仕上げ ③機械彫り の3種類です。

残念な実態ですが、この定義はほとんど守られていないのが現状です。

最近驚愕の話を耳にする事があります。

「協会が決めた定義は法律ではないから、守らなくても法律違反にはならない」

「機械彫りされた印章を 『手彫り』 と言って売っても裁判で負けない」

驚きですよね?

裁判で負けない事が驚きなのではなく、そんな屁理屈を言ってしまうところに驚きました。

「機械彫りより手仕上げ」 「手仕上げより手彫り」 と言って売れば、信じたお客様は喜びますし、売る側も売りやすいです。

そこで彫刻方法を咎められても「手彫りです」と言ってしまえば、印面を見た消費者(素人)様は、なかなかわかりません。

(こちらをお読み下さい→ 手彫り印鑑への偽装①  手彫り印鑑への偽装②

仮にバレたとしても堂々と「法律違反じゃない!」と言って、訴えられても裁判で負けないと自信を持っていれば済みます。

私は印章業界の大きな二つの汚点である開運印鑑(印相体)と手彫り印鑑の偽装を公開しておりますが、法律家ではありません

ので、「裁判で負けない」とか、「逮捕される訳じゃない」 という観点で語っているのではありません。

ただ単に 「機械彫りされた印章が 、手彫り印鑑 として売られているのはおかしんじゃないか?」 と言っているだけです。

「法律違反じゃない・・・・裁判に負けない・・・」 という言葉を聞いて、消費者様はどう思うのでしょうか。

尚、下の図をご覧いただければわかると思いますが「完全手彫り」という呼び名はありません。

ですので「完全手彫り」と「手彫り」を分けた説明はおかしな説明という事になります。

そして「手仕上げ」という彫刻方法は、消費者の方にはわかりづらいと思いますが、「手仕上げ」という呼び名が正式であり

「手彫り仕上げ」という呼び名は存在しません。

この印章彫刻作業工程の定義を決める際に、公正取引委員会から却下された名称です。

理由は「紛らわしい」からです。 (手彫りなんだか、手仕上げなんだかわかりづらく当然の事ですよね)

紛らわしい呼び名を何故使っているのか?・・・・

それは、上に書きました「法律で決まった訳じゃない」「裁判で負けない」からですよね。

こんな実態、これから印章(印鑑)を作ろうと考えている消費者様は、どう思いますか?

実際の物よりよく見せようとする商行為は優良誤認と言うそうです。

消費者庁のホームページより一部抜粋

一般消費者に対し、
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの


文章冒頭の一部抜粋ではありますが、優良誤認についてはこう書かれています。

「法律違反じゃない!」という話は、同業者間では話をしても、お客様に直接言うお店は無いと思います。

私は法律に詳しくはありませんので、「機械彫り」を「手彫り」と言って販売しても法律違反または優良誤認になるかは

わかりませんが、消費者様はその辺をよく見極めてご判断下さいませ。

下の図は公益社団法人全日本印章業協会が決めた定義です。

(赤い部分のみ私が加筆しました)

手彫り印鑑彫刻定義 印相体


手彫り印鑑彫刻定義 印相体

ブログ編集者

第22回 蔵書印まつりチケットプレゼント

蔵書印まつりのチケットプレゼントの件は後半に…


まずはこちらをお読み下さい。→印相体の真実

手彫り印鑑についてはこちらを→手彫り印鑑を証明するには

(スマートフォンからの場合はこちらをご覧下さい)


そして今回は江戸末期から明治初期の印章店の印譜から。

(第22回蔵書印まつのりチケットプレゼントは後半です)

手彫り印鑑

このページは朱で押されている印もあるので、明治になってからの分かも知れませんが、黒肉で押された印影が多い

印譜を見るだけで私は気分が高まります。

本日はこの印影を。

手彫り印鑑

折り畳みの多い、この時代ならではの素晴らしい篆書体です。

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ここからはタイトルの「第22回 蔵書印まつり」についてです。

毎年10月後半に神田神保町の印章会館で開催されている蔵書印まつりのご案内です。

お陰様で大人気となっている手彫り体験のイベントです。

先着200名(×2日間)、今年はお一人様40分の篆刻体験となります。

体験ご希望の方は、当店までご連絡いただければチケットを送らせていただきます。

当日チケットをご持参いただいた方には、無料体験以外に素敵なプレゼントも用意させていただいております。

第22回 蔵書印まつり はんこの印善


ブログ編集者

明治時代の手彫り印鑑 古印体

明治中期の手彫り印鑑印譜からです。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです


手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

味わいのある古印体で彫られた警察署の印ですね。

文字に「わびさび」があり、ところどころ途切れているのがおわかりいただけるでしょうか。

これが本来の古印体です。

「途切れる」とお客様に言いますと、「それはやめて下さい」と言われる事が多いですが、古印体とは読んで字の如く

古い印章(印影)を参考にして創りだされた書体です。

奈良・平安時代のハンコと言えば銅で出来た四角い官印でした。

それを鋳造する時に(鋳造技術が不十分の為)生まれる「鋳造溜まり」が墨溜まりとなり、文字の強弱、わびわびを生むのです。

当時はやむを得ず出来てしまっていた鋳造溜まりが、後に古印体という書体になっていきます。

ですから、途切れていても印章としては何も問題ありません。

ちなみに、印章に用いられる基本六書体のうち、古印体のみ日本で生まれた書体です。

邪道の書体である印相体も日本で作られた書体です。

ブログ編集者

手彫り印鑑 (明治印譜2)

同じ明治時代の印譜を続けます。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです


手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

裁縫、傘などの販売・修理をしていたお店の印鑑ですね。

ここまで美しい楷書を回文で彫るというのは、相当な技術者である事が一目でわかる印影です。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

昔は商店や会社で使われていた印鑑は大きなものが多く、個人の印鑑は小さ目が多かったのですが、

最近はそれが逆転していますね。

会社などの印鑑が小さくなったのは、印鑑自体があまり押されなくなった事と、大きな印鑑では作るのに料金も

高くなるからでしょう。

それはお店を経営していれば肌で感じます。

一方、個人の印鑑が大き目に変化していく理由は、お店側の「大きいハンコはいいですよ」という販売方針からです。

これも他店さんの店主さんと話をすれば肌で感じる事ができます。

ブログ編集者

手彫り印鑑 (明治印譜3)

今回も前回と同じ明治時代の印譜からです。

同じといっても、紹介するページは別のページです。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

古い印譜は遠目に見るだけでも私は心が躍ります。

見るだけで心が癒されますね。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

中輪(太枠)+細篆書体の素晴らしい角印です。

印文を見ますと、尋常小学校の印鑑ですね。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

27ミリ角です。

今では大き目の角印ですが、この時代では小さな方です。

この当時は当たり前の事ですが、これは文字の手書きを含め手彫りで作られた印鑑です。

丁寧な手彫り印鑑は見ているだけでもいいものですね。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全てハンコやが金儲けで作ったものです

斜めに字配りした素晴らし古印体の小判型印鑑です。

先日の記事にも書きましたが、「わびさび」のあるのが本来の古印体です。

手彫り印鑑(明治時代) 印相体・吉相体・開運印鑑は全て嘘をもとに作られたものです

最後は綺麗に整った隷書体の印鑑です。



ブログ編集者

手彫り印鑑 (明治印譜4)

今回も同じ明治時代中期の印譜からです。

「どうして同じ印譜が続くの?」 「何故石川県ばかりピックアップするのですか?」

など、疑問を感じる方も居らっしゃるかも知れませんが、その答えは後半に・・・

さて、例によって明治時代中期の実務印の印譜から。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

今回は向かって右ページの左下の角印から。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

行書古印体です。

先日もお伝えしましたが、古印体は「わびさび」あっての書体です。

個性が光る書体といっていいでしょう。

尋常小学校の校長印ですね。


明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

今回はもう1印影を紹介させていただきます。

左ページの大きな角印や、右ページの大きな丸型の印鑑が気になると思いますが、今回は左ページ右下の

印影が薄い印鑑を紹介。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

印影が薄いので見づらいですが、細枠+細篆書体で彫られています。

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冒頭に書きましたが、ここのところ急にブログの更新頻度が上がり、石川県や金沢にちなんだ印影が続いていて

「なぜ?」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。

実は、17日~19日、石川県に旅行に行ってきました。

金沢 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

まずは新幹線で金沢へ。

そこから電車を乗り換えて和倉温泉→レンタカーという予定が、和倉温泉ではレンタカーの空車が無い

という事で金沢からレンタカーになりました。

一番始めは護国神社から

金沢 護国神社の五葉松 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

鳥居や本殿も撮ったのですが、私が感動したのは幹の直径が2.5メートルもある五葉松の大木です。

黒松でも凄いですが、五葉松のこんな大木は滅多に見る事ができません。

金沢 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

ここはすぐ隣の洋館。

観光客はほとんど居ませんでしたが、このレトロな雰囲気、私は大好きなんですね~。

今回の旅行は私一人ではなかったので、行きたい場所を自由に周る事は出来ませんでした。

しかし、東京で印章店を営む私、一人ではなかなか石川県まで行く機会はありません。

逆に、定番コースを外れての観光に同行者が付き合ってくれた事に感謝しなければいけませんね。

兼六園:金沢 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

ここは定番コースの兼六園です。

綺麗な日本庭園というのは想像しておりましたが、植木がみな巨木だった事が驚きです。

兼六園  印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です


兼六園 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です



庭園にあまり興味が無い人でも楽しめると思います。

護国神社に行ってからの兼六園でしたので、正解でした。

観光地図を見て、勝手に平面だと勘違いしていましたが、結構な坂があります。

最初に金沢城を見てからの兼六園では、前半ずっと上り坂になりますので、行かれる方はご注意を。

兼六園 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

兼六園の金沢城側の出口には大正時代から続いているという茶店がありました。

こういう雰囲気は、いいですね。

右の看板に惹かれ、童心にかえった気持ちでソフトクリームを食べての休憩。

歩いた後での甘いものは絶品です。

金沢城 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

次も定番の金沢城公園。

金沢 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

これは金沢市街の民家を撮らせていただいたものですが、こういう古い民家がそこらじゅうに沢山ありました。

私はこういうところをカメラ片手にぶらぶら歩いているだけで満足なのですが、それじゃ同行の方には申し訳ないですよね。

という事で、行きたいところの全てに行けた訳ではありませんが、皆の意見を出し合い、いろいろな場所を周れて良かったです。

千里浜なぎさドライブウェイ明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

これは金沢を離れて和倉温泉へ行く途中の千里浜なぎさドライブウェイ

日本で唯一堂々と砂浜を走れる道路だそうです。

何十台ものバイクや車、時にはバスまで通る光景は見応えあります。

レンタカーの運転は皆さんの状況を考え、私が全て担当

古民家を見つけては写真を撮ろうとしましたが・・・

穴水 明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

「運転しながら撮影は危ない!」との当然のブーイングにより写真は思うように撮れませんでした。

まあ、撮影が目的の旅行ではありませんので、これは仕方ありませんね。

能登半島の旅行話は次回も続きます。


ブログ編集者



明治時代の石川県印譜

「印譜の紹介より旅行の紹介がメインなんじゃない?」と思われてしまいそうな更新ですが

今回も明治時代の手彫り印鑑「石川県編」を紹介させていただきます。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

今回は向かって右ページ、右下の印影です。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

山カ商店とでも言ったところでしょうか。

いかにも商人が・・・という雰囲気の印影ですね。

明治時代の手彫り印鑑 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

昔の商店印は今と比べますと、ほとんどのものが大きかったです。

反対に、個人の印章は今より小さかったです。

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さて、能登半島を旅行した時の写真の続きです。

黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

ここは輪島市黒島です。

どうです?この雰囲気。

観光地図にも載っていましたが、ネットの情報を頼りに行きました。

黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

この「質素な漁村」という雰囲気、いいと思いませんか?

さすがに江戸時代や明治とは言いませんが、昭和30年代まで位の雰囲気を残す町。

実は、何年か前に小旅行で行った新潟県の「妻入りの街並み」(出雲崎)にそっくりでした。

家の長さこそ違うものの、町の作り、質素な建物など、出雲崎に来てしまったかの様な感じがしました。

どこか懐かしい感じですが、その一方、よそ者(私達)を容易に受け入れるような雰囲気ではない気もします。

黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

どの家も庭はほとんどなく、密接していて駐車場が見当たらなかったので、町への足はバスなのでしょうか。

離れた場所に駐車場がある雰囲気もなかったので・・・
(観光客向けの駐車場はあります)

黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

すぐ先は海です。

漁の安全を願う神社に守られながら出航し、(売る分も含めて)生活に必要な分だけ魚をとってくる。

そんなつつましやかな生活をしていたのでしょう、きっと。

どこか寂しい風景がそう語っている気がします。

お店らしいお店は床屋さんが2件だけでしたが、この狭い町の中に2件あるのが意外でした。

黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

この質素な街でひときわ大きな家が廻船問屋をしていた角海家です。

ここは平成19年の地震で崩れてしまったそうですが、市が買い取り修復工事がされていて、今は中を見る事が出来ます。

親切な案内人の方が説明してくれていたのですが、ハンコ屋の私の目に見逃せないものが飛び込んできました。

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

八方崩しの印鑑 角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

「実は私、ハンコ屋なんですけど■◎×▲・・・」と事情を説明し、特別に印章を見せていただきました。

見てびっくり。

波型模様の中に雷紋があり、その中に見事な本物の八方崩しが彫られていました。

印相体が存在しなかった良き時代の本物の八方崩しの篆書体です。


角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

朱肉ではなく黒肉で捺されていた形跡です。

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

これはゴム印ではなく紛れもない木口印章です。

当店ではこの様な手彫りも彫刻工程写真付きでお承りをしております。

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

案内していただいた方はとても親切で人の良さそうな方でしたが、きっと「このお兄ちゃん、ちょっと変わってるな」と

思われてしまっていた事でしょう。

扁額も行書体の文字より篆書体で彫られた落款の方ばかり見たりして・・・

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

外からではわかりませんでしたが、かなりの豪邸でした。

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

太い梁に囲炉裏です。

角海家:黒島(石川県輪島市) 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざった悪い印鑑です

(私) うちにも囲炉裏付けたいんですが、ススが出て天井が汚れるからな~

(案内人さん) この辺は炭を焼くからススは出ないよ。

!!??

ススが出なくても多少天井は汚れると思いますが、とはいえ実際に囲炉裏の工事をするとなると結構なお金が掛かるでしょうから

ここは憧れだけで済ました方が良さそうです。

黒島近くの別の集落にも行きたかったのですが、単独行動ではないので、次の目的地へ。


ブログ編集者






明治時代の石川県印譜 続き

ここ何回か同じ印譜からの紹介です。

明治中期の手彫り印鑑 印譜より。

手彫り印鑑のブログ 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

今回は向かって右側のページ、下段中央の印影を紹介させていただきます。

手彫り印鑑のブログ 印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

「金沢市袋町・・・」

検索したら今でも町名は残っているんですね。

「袋町 硝石 荒物 かね舟」などいくつかのキーワードで検索しましたが、見つかりませんでした。

それにしても、端正な楷書体の素晴らしい印鑑です。

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「石川県旅行」について。

ちょっとしつこいですかね?

まあ、今回でこの旅行の話題は終わりにしますので・・・

千枚田  印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です

能登の定番観光コース、輪島市の千枚田です。

想像していた以上に観光化されていて、気軽に行けるいいところでした。

篆書体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

これは輪島市の重蔵神社ですが「えっ何これ?」と思った方。

まあ、これは印章店の私が気ままに更新しているブログですので、おのずとこういう写真ばかりになってしまいます。

それを踏まえてご覧になって下さい。

篆書体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

燈籠の建立は確か明治時代だったと思いますが、記録してくるのを忘れてしまいました。

気になるのはもちろん篆書です。

輪島市の漁村を是非散策したかったのですが、私一人の旅行ではありませんので、それは控えて

次は時国家(時國)家へ

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

見学出来る茅葺き屋根の古民家です。

平家が壊滅した壇ノ浦の戦いで、かろうじて処刑を免れた平時忠が能登に流され、その子である時国が「平」の姓から

「時国」姓へ変え、近隣の村々300石を統治し、江戸時代には大庄屋となり、その後本家と分家に分かれて現在に至る。

との事だそうで、この家(後述の上時国家も)後世の当主が築いた屋敷だそうです。

上の写真は分家の時国家(下時国家)です。

実は、観光地図でここの存在を知り、「ちょっと大きめの茅葺き古民家が見学できる」ぐらいの気持ちでここに来ました。

上の写真からでもその位しかわかりませんよね。

しかし、屋敷の中に入った途端、驚きに変わりました。

写真ではその壮大さがあまりわからないかと思い、何枚かのみのピックアップに留めますが、

まず驚いたのはその広さと、柱や梁に使われている木材の巨大さでした。

(下で紹介する)上時国家の場合は、木材を集めるのに18年(だった気が)、そして建設から建て終わるまで28年

掛かったとあります。

つまり、建設開始から46年も経ってようやく完成した建物だそうです。

まあ、当時はネットはもちろん、電話やFAXもなく、道路も整備されていない能登半島の奥地ですから、

材料を集めるのも大変な苦労だった事でしょう。

とにかく、巨大な邸宅に一同驚きました。

時國家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

↑これは倉庫です。


次は200メートルほど離れた上時国家(本家)です。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

時国家(分家)には無い、石の急坂がありました。

海に近いので豪雪とまではいかないでしょうが、雪が降ったり凍結したら、歩くのが困難な位の急で滑る坂

から始まるのが意外でした。

容易に人を寄せ付けない為でしょうか? 

いえ、その割には客人を迎える品物が沢山ありました。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

雨と時間の関係で外観は落ち着いて撮影できませんでしたが、本家、分家とも建物の3分の1程度が

塀で仕切られているのが特徴でした。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

この写真では十分に伝わらないかも知れませんが、とにかく柱が太い。

重機も電動工具も無い時代、しかもここは都から遠く離れた能登半島の輪島。

当時は人も物も少なく、建造するのがさぞかし大変だった事でしょう。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

茅葺き屋根の古民家に囲炉裏は付きものですね。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

これも写真では分かりづらいと思いますが、屋敷の頂上は18メートルあるそうです。

ここから唯一、その18メートルが見える場所なのですが、どうやら人が昇れる構造になっているようです。

しかし、滑ってしまった時(落下してしまった時)の受け皿が無いので、昇るのは命懸けだったのでしょうか。

時国家 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

これは実際に使われていた籠だそうです。

とにかく来て良かったです。

後から知りましたが、日本最大級の個人の木造古民家だそうです。

東茶屋街 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

場所は変わってこちらは金沢の東茶屋街です。(翌日です)

まるで映画のセットの様な雰囲気、説明不要の素晴らしさです。

東茶屋街 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

ちょっとした建物でも「うだつ」が付いていて、東京ではなかなか見られない光景です。

神社の篆書体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

私が興味あるのはこんなものです。

昭和の木札ですが、篆書が柳葉篆気味になっているので思わず撮影。

東茶屋街(印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

車一台がやっと通れる位の路地ですが、至るところに情緒あるお店がありました。

東茶屋街 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

観光客向けの単なるアピールではなく、中は本当のお味噌屋さんでした。

印章新体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

意外なところで印章新体発見です。

印章新体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

あくまでも私の推測ですが、印章新体を意識したのではなく、偏や旁、冠を組み合わせた結果だと思います。

東茶屋街(印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)


金沢 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)


金沢 尾崎神社 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

金沢 尾崎神社 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

建築の素人ですが、建物を見たとたん「古い」と感じたら、案の定1643年建立の建物でした。

金沢 尾崎神社 奉納篆書体 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

この篆書は昭和でしたが、素晴らしい作風です。

金沢 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

今回の旅行では能登半島や金沢のごく一部しか周れませんでしたが、逆に考えれば、もう一度来る為には

見たいところを残してきたのも良かったのかも知れません。

金沢駅 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

出版業界の方には申し訳ないのですが、旅行のガイドブックを購入したらお店の宣伝やグルメの紹介ばかり。

情報は膨大なのですが、古い街並みが好きな私にはほとんど役に立ちませんでした。

そこで金沢の友人印章店さんにアドバイスを頼んだら、気の利いたものを送ってくれました。

金沢 案内図 (印相体・吉相体・開運印鑑は嘘が混ざったデタラメ印鑑です)

主要観光地やバスのルートがコンパクトにまとめられている金沢市内の観光案内。

お世辞抜きでどのガイドブックよりも役に立ちました。

そしてリアルタイムで「困った事がありましたらいつでも連絡下さい」との有り難いメッセージも。

金沢の名店と石川県の素晴らしさにすっかり魅せられた旅行でした。



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Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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