彫刻工程写真 (太枠・細字)
7月は良い感じで更新できておりましたが、後半更新がさっぱりになってしまいましたね。
今回は、手彫り印鑑の彫刻工程の写真です。
実際にお客様からご注文分ですが、ここで紹介する事をご承諾いただけたご厚意に深く御礼申し上げます。
印章用の文字である「印篆」です。

墨で書いた部分を朱墨で修正しながら文字を手書きします。
(紙に手書きした文字を転写する工法も正式な手彫り印鑑として認められていますので、当店でも転写する場合があります)


印材は象牙です。
柘と比べると硬さが全然違いますが、これを日常的に手彫りして体感してこそ印材(材質)の違いなども
わかるのではないかと思います。
その経験でお客様に材質について的確な説明をする事が印章店として重要だと思います。

象牙は白いので写真では凹凸がわかりづらいかと思いますが、文字や枠部分の「土手」が少ないのは
おわかりいただけますでしょうか。
丁寧な粗彫りは手彫り印鑑の基本です。


彫刻台(篆刻台)の向きを変えながら、彫りやすい方向で彫っている為、写真の向きが変わっております。

説明不用の「手彫り印鑑の醍醐味」をご覧下さい。

最後は墨打ちをし仕上げです。

印章店としての私見ですが、インターネット上で手彫り印鑑として販売されているハンコの99.9%は手彫りされて
おりません。
ですので、
こちらの記事↓もお読み下さい。 必ずご納得いただけるはずです。
彫刻途中の写真が重要な理由と説明
ブログ編集者
今回は、手彫り印鑑の彫刻工程の写真です。
実際にお客様からご注文分ですが、ここで紹介する事をご承諾いただけたご厚意に深く御礼申し上げます。
印章用の文字である「印篆」です。

墨で書いた部分を朱墨で修正しながら文字を手書きします。
(紙に手書きした文字を転写する工法も正式な手彫り印鑑として認められていますので、当店でも転写する場合があります)


印材は象牙です。
柘と比べると硬さが全然違いますが、これを日常的に手彫りして体感してこそ印材(材質)の違いなども
わかるのではないかと思います。
その経験でお客様に材質について的確な説明をする事が印章店として重要だと思います。

象牙は白いので写真では凹凸がわかりづらいかと思いますが、文字や枠部分の「土手」が少ないのは
おわかりいただけますでしょうか。
丁寧な粗彫りは手彫り印鑑の基本です。


彫刻台(篆刻台)の向きを変えながら、彫りやすい方向で彫っている為、写真の向きが変わっております。

説明不用の「手彫り印鑑の醍醐味」をご覧下さい。

最後は墨打ちをし仕上げです。

印章店としての私見ですが、インターネット上で手彫り印鑑として販売されているハンコの99.9%は手彫りされて
おりません。
ですので、
手彫り印鑑をインターネットで注文する時は、必ず彫刻途中の
写真撮影を依頼しましょう。
写真撮影を依頼しましょう。
手彫り印鑑の注文をご検討のお客様へ (免責事項)
当店では手彫り印鑑をご注文いただきました全てのお客様へ、彫刻途中の写真を差し上げております。
ホームページ上で紹介している写真は、写りが良いものを選んだ上でお客様のご承諾をいただき掲載
しているものです。
写真は素人撮影ですので、写り具合の悪い場合やデータの損失、またはうっかり撮り忘れも有り得ます。
(写真を差し上げるサービスを行ってから撮り忘れは一度もありません)
これらの理由により写真を差し上げられない場合でも、間違い無く手彫りを行っております。
その為、写りの悪い場合や、写真そのものが差し上げられない場合でも、返金等は出来ません事を
ご理解下さいませ。
(写真の写りの悪さ、及び差し上げられない場合差し上げられない事は免責とさせていただいております)
尚、当店の彫刻方法は「手彫り」と「手仕上げ」の彫刻方法でお承りさせていただいておりますが
写真サービスは手彫り印鑑のみとなります。
こちらの記事↓もお読み下さい。 必ずご納得いただけるはずです。
彫刻途中の写真が重要な理由と説明
ブログ編集者
ひらがなの実務印 (心越の扁額)
明治時代の印譜より

今回はひらがなで彫られた印鑑を紹介させていただきます。

今も昔も実印は篆書体が多い(※)ですが、ひらがなのお名前は昔は主に楷書体で彫られていました。
(※きちんとした印章の基本となる6書体の中で考えております)

ご存知だと思いますが、漢字は中国から伝来したもので、ひらがなは日本独自の書体です。
楷書や行書を音で表す万葉仮名がひらがなの原点と言われております。
従って、楷書体より以前の文字である篆書体と隷書体には、本来ひらがなはありません。
現在は公益社団法人全日本印章業協会の印章字林によって篆書体のひらがなが制定されておりますが
それ以前は主に楷書体が用いられてきました。 (僅かに変体仮名もありました)

上の文に続きますが、よって現在篆書体、隷書体でひらがなカタカナをご注文されるお客様は
篆書体「風」、隷書体「風」ひらがな(カタカナ)とさせていただいております。
ブログ編集者
----------------------------------------------
日曜日恒例の郊外散策ですが、今日はその途中で以前行った西明寺(栃木県芳賀郡益子町)にふと行きたくなり、
思い切って行く事にしました。
以前の記事はこちらです→ 技量 (心越の扁額)
方面的に近くまで来たので、心越の扁額をもう一度見てみたいなという思いと、実は前回見られなかった
気になる扁額が一つあったのでそれを急に見たいと思った事が今回の主な目的です。

途中気になる古民家を見つける度に車を停める気ままなドライブです。

上の写真と同じ家の側面ですが、いやそれにしても街中なのに凄い広さです。
と寄り道が結果的に失敗となるのですが、それは後で。

西明寺に着きました。
山門の扁額も心越の書です。

独鈷山 東皐越杜多(心越)

こちらが本堂です。

心越の扁額です。
いい物は何回見てもいいですね。

東皐越杜多(心越)
誤訳防止の為、ブログで印文は読まない方針なのですが、これは印文がわかっておりますので例外とします。
上 「自心了不可得」(朱文)
下 「越道人」 (白文) で間違いなく心越のものです。
左の白い部分にモザイクを掛けたのは、千社札が貼られているから隠す意味でモザイクを掛けさせていただきました。
貴重な扁額に千社札を貼るとは酷い事です。
これらは以前の記事でも紹介させていただいた扁額なのですが、見られなかったもう一つの扁額とは
お寺入り口の庫裡(くり)の中にある扁額を見たかったからです。
前回は日没間近だったので、扁額の存在だけ確認して(きちんと見るのは後回しにして)階段を駆け上がり
山門と本堂の扁額を見たのでした。
そして、帰りにじっくり庫裡の中の扁額を見ようと思って階段を降りたら・・・
その時は既に閉まっていたので見られなかったのです。
という事で今回は先に見るつもりで・・・
下の2枚の写真を比べてみて下さい。
これ(上の写真)は前回のものです。
写真左の茅葺屋根の建物が庫裡(くり)です。

これ↓が今回撮影したものです。

写真の角度と季節が違うのでわかりづらいかも知れませんが、庫裡が新築されております。
それが工事中で中を見る事ができませんでした。
また、時間が遅かった様で、社務所も閉まっており詳しい話を聞くことも出来ませんでした。
今回も急に思い立った事とは言え、扁額を楽しむには時間の余裕が必要ですね。
少々残念でしたが、心越の扁額はしっかり見る事が出来ましたので、目のと心の保養になりました。

今回はひらがなで彫られた印鑑を紹介させていただきます。

今も昔も実印は篆書体が多い(※)ですが、ひらがなのお名前は昔は主に楷書体で彫られていました。
(※きちんとした印章の基本となる6書体の中で考えております)

ご存知だと思いますが、漢字は中国から伝来したもので、ひらがなは日本独自の書体です。
楷書や行書を音で表す万葉仮名がひらがなの原点と言われております。
従って、楷書体より以前の文字である篆書体と隷書体には、本来ひらがなはありません。
現在は公益社団法人全日本印章業協会の印章字林によって篆書体のひらがなが制定されておりますが
それ以前は主に楷書体が用いられてきました。 (僅かに変体仮名もありました)

上の文に続きますが、よって現在篆書体、隷書体でひらがなカタカナをご注文されるお客様は
篆書体「風」、隷書体「風」ひらがな(カタカナ)とさせていただいております。
ブログ編集者
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日曜日恒例の郊外散策ですが、今日はその途中で以前行った西明寺(栃木県芳賀郡益子町)にふと行きたくなり、
思い切って行く事にしました。
以前の記事はこちらです→ 技量 (心越の扁額)
方面的に近くまで来たので、心越の扁額をもう一度見てみたいなという思いと、実は前回見られなかった
気になる扁額が一つあったのでそれを急に見たいと思った事が今回の主な目的です。

途中気になる古民家を見つける度に車を停める気ままなドライブです。

上の写真と同じ家の側面ですが、いやそれにしても街中なのに凄い広さです。
と寄り道が結果的に失敗となるのですが、それは後で。

西明寺に着きました。
山門の扁額も心越の書です。

独鈷山 東皐越杜多(心越)

こちらが本堂です。

心越の扁額です。
いい物は何回見てもいいですね。

東皐越杜多(心越)
誤訳防止の為、ブログで印文は読まない方針なのですが、これは印文がわかっておりますので例外とします。
上 「自心了不可得」(朱文)
下 「越道人」 (白文) で間違いなく心越のものです。
左の白い部分にモザイクを掛けたのは、千社札が貼られているから隠す意味でモザイクを掛けさせていただきました。
貴重な扁額に千社札を貼るとは酷い事です。
これらは以前の記事でも紹介させていただいた扁額なのですが、見られなかったもう一つの扁額とは
お寺入り口の庫裡(くり)の中にある扁額を見たかったからです。
前回は日没間近だったので、扁額の存在だけ確認して(きちんと見るのは後回しにして)階段を駆け上がり
山門と本堂の扁額を見たのでした。
そして、帰りにじっくり庫裡の中の扁額を見ようと思って階段を降りたら・・・
その時は既に閉まっていたので見られなかったのです。
という事で今回は先に見るつもりで・・・
下の2枚の写真を比べてみて下さい。
これ(上の写真)は前回のものです。
写真左の茅葺屋根の建物が庫裡(くり)です。

これ↓が今回撮影したものです。

写真の角度と季節が違うのでわかりづらいかも知れませんが、庫裡が新築されております。
それが工事中で中を見る事ができませんでした。
また、時間が遅かった様で、社務所も閉まっており詳しい話を聞くことも出来ませんでした。
今回も急に思い立った事とは言え、扁額を楽しむには時間の余裕が必要ですね。
少々残念でしたが、心越の扁額はしっかり見る事が出来ましたので、目のと心の保養になりました。
明治中期の手彫り印鑑
明治時代の印譜より。

向かって右のページから。

枠に沿って彫られているのは、龍の頭だと思います。

ミリ以下の細部まできちんと仕上げが行き届いているのがわかります。


こちらは対になっている龍紋ですね。



今ではゴム印で押すような印鑑も木口で彫られる事が多かったようです。
正確な年代のわかる印影は貴重な資料となり、大変参考になります。
ブログ編集者
------------------------------------------
上の印影と直接の関係はありませんが、先日のドライブで気になった古民家の写真を少々。
過去に何度も同じ事を書いておりますが、古い印譜を見ながら 「明治中期はこんな雰囲気だったのかな」 と
想像を巡らせる楽しみがあります。

豪華な造りですが、お寺ではなく一般の民家です。

これは薬師門というのでしょうか。
ただ、建築の専門家ではありませんので間違っていたらすみません。


瓦の豪華さに目を奪われます。

ごく普通に生活しているお宅ですので、カメラ片手にジロジロ見ていると不審者だと思われてしまいそうですが、
それにしても田舎の風景の中の古民家は、見ていて本当に素晴らしいものだと思います。

向かって右のページから。

枠に沿って彫られているのは、龍の頭だと思います。

ミリ以下の細部まできちんと仕上げが行き届いているのがわかります。


こちらは対になっている龍紋ですね。



今ではゴム印で押すような印鑑も木口で彫られる事が多かったようです。
正確な年代のわかる印影は貴重な資料となり、大変参考になります。
ブログ編集者
------------------------------------------
上の印影と直接の関係はありませんが、先日のドライブで気になった古民家の写真を少々。
過去に何度も同じ事を書いておりますが、古い印譜を見ながら 「明治中期はこんな雰囲気だったのかな」 と
想像を巡らせる楽しみがあります。

豪華な造りですが、お寺ではなく一般の民家です。

これは薬師門というのでしょうか。
ただ、建築の専門家ではありませんので間違っていたらすみません。


瓦の豪華さに目を奪われます。

ごく普通に生活しているお宅ですので、カメラ片手にジロジロ見ていると不審者だと思われてしまいそうですが、
それにしても田舎の風景の中の古民家は、見ていて本当に素晴らしいものだと思います。