技量 (心越の扁額)
明けましておめでとうございます。
と言うのは随分遅いですが、ブログの更新が1ヶ月以上滞っておりました。
今回は古い印影の紹介でなく、手彫り印鑑の良さをお伝えしたいと思います。
「手彫り印鑑の良さ」
実は以前にも書きましたが、口で説明するのはどうも苦手なので「論より証拠」という事で
手彫りした印章と印影そして印稿をご覧下さい。 (以前の記事です)
「自画自賛」というのは醜いですよね。
でも、手彫り印鑑の良さを説明するのに他店さんで彫った印鑑の良さを説明するのはいかがなものか。
ですので、当店の宣伝が大きく混ざる自画自賛で大変恐縮ですが、今回はいつもと違った記事にしてみました。
下の写真の黒い紙にある印影は、印鑑(印章)で押したものではありません。
朱墨で手書きしたもので、印章用語では印稿(いんこう)と言います。

印稿は別に黒紙に朱墨でなくても構わないのですが、原寸でこの様な印稿を書ける職人さん
自体が今は少なくなってしまっております。

印稿は2つありますが、下が「多喜」さんの草書体です。
書こうと思えば書けたとしても、お店用の見本などにするのが精一杯で、実際のお客様からのご注文品で
書いているお店を探すのは非常に難しいのが現実です。 (宣伝で恐縮です 手書き印稿)
これは手彫り印鑑用の見本として以前印稿を書いて手彫りしたものですが、6書体全てを印稿書いて彫る
時間がなく頓挫してしまったものを今回紹介させていただいたものです。

こちら印稿とは少々雰囲気を変え「行草体」にして彫ってみた「多喜」さんです。
細かい説明は省略させていただき、当店の技量をお客様自身の目でご確認下さい。

ご来店されたお客様用に何度も捺印しましたので、印面の朱墨は落として撮影しました。

ブログ編集者
------------------------------------------------------------
お正月は特に旅行など行きませんでした。
その代わり、前々から気になっていた扁額を見てきました。
まだ新年早々の3日、お正月ですので少々寝坊して自宅でテレビを見ていましたが、行くかどうか迷っていた
お昼頃決断していざ出発。
目的地は栃木県益子町の西明寺。
日本の篆刻界に多大なる影響を与えた心越(しんえつ)書の扁額を見る為です。
(心越:蒋興儔 号は東皐 1677年に中国から来航した僧侶)
出発は午後1時頃。
場所を考えると高速道路で行った方が時間に余裕があっていいはずですが、街の風景を見ながら行きたかったので
下道、それも幹線道路はなるべく通らず旧街道的な道路で行くことにしました。
途中いい街並みがありましたが、日暮れ前に到着しなければならないので止まらずに目的地へ。
但し、コンビニにはドライブイン代わりに数回立ち寄ったりする気まぐれなドライブです。

西明寺入り口です。
向かって左側が社務所のようです。

これが目的の心越の(書の)扁額です。
資料でこの扁額の写真は見ていたのですが、やはり間近で本物を見ると感慨深いものがあります。
来て良かったです。



貴重な扁額に千社札が貼られてしまっているのが残念でなりません。
千社札自体は私は大好きで当店にも古い千社札はあるのですが、これはいけませんね。
江戸時代から社寺に貼る習慣があるようですが、今は大抵「千社札を貼らないで下さい」と注意書きがあります。
注意書きの有無にかかわらず、扁額に貼ってしまうのはいけませんよね。
境内の閻魔堂の扁額です。

色が薄れて文字が見えにくいですが、銘を見ると心越の書ではないようです。


山門の扁額
こちらは心越の書で「独鈷山」(右から)
高い場所にある扁額でしたので望遠レンズを持っていかなかった今回はこれが精一杯。
当日お昼の決断でしたが、来て良かった西明寺です。
勝手気ままに道中を楽しむ扁額巡りのドライブ、最高ですよ。
ブログ編集者
と言うのは随分遅いですが、ブログの更新が1ヶ月以上滞っておりました。
今回は古い印影の紹介でなく、手彫り印鑑の良さをお伝えしたいと思います。
「手彫り印鑑の良さ」
実は以前にも書きましたが、口で説明するのはどうも苦手なので「論より証拠」という事で
手彫りした印章と印影そして印稿をご覧下さい。 (以前の記事です)
「自画自賛」というのは醜いですよね。
でも、手彫り印鑑の良さを説明するのに他店さんで彫った印鑑の良さを説明するのはいかがなものか。
ですので、当店の宣伝が大きく混ざる自画自賛で大変恐縮ですが、今回はいつもと違った記事にしてみました。
下の写真の黒い紙にある印影は、印鑑(印章)で押したものではありません。
朱墨で手書きしたもので、印章用語では印稿(いんこう)と言います。

印稿は別に黒紙に朱墨でなくても構わないのですが、原寸でこの様な印稿を書ける職人さん
自体が今は少なくなってしまっております。

印稿は2つありますが、下が「多喜」さんの草書体です。
書こうと思えば書けたとしても、お店用の見本などにするのが精一杯で、実際のお客様からのご注文品で
書いているお店を探すのは非常に難しいのが現実です。 (宣伝で恐縮です 手書き印稿)
これは手彫り印鑑用の見本として以前印稿を書いて手彫りしたものですが、6書体全てを印稿書いて彫る
時間がなく頓挫してしまったものを今回紹介させていただいたものです。

こちら印稿とは少々雰囲気を変え「行草体」にして彫ってみた「多喜」さんです。
細かい説明は省略させていただき、当店の技量をお客様自身の目でご確認下さい。

ご来店されたお客様用に何度も捺印しましたので、印面の朱墨は落として撮影しました。

ブログ編集者
------------------------------------------------------------
お正月は特に旅行など行きませんでした。
その代わり、前々から気になっていた扁額を見てきました。
まだ新年早々の3日、お正月ですので少々寝坊して自宅でテレビを見ていましたが、行くかどうか迷っていた
お昼頃決断していざ出発。
目的地は栃木県益子町の西明寺。
日本の篆刻界に多大なる影響を与えた心越(しんえつ)書の扁額を見る為です。
(心越:蒋興儔 号は東皐 1677年に中国から来航した僧侶)
出発は午後1時頃。
場所を考えると高速道路で行った方が時間に余裕があっていいはずですが、街の風景を見ながら行きたかったので
下道、それも幹線道路はなるべく通らず旧街道的な道路で行くことにしました。
途中いい街並みがありましたが、日暮れ前に到着しなければならないので止まらずに目的地へ。
但し、コンビニにはドライブイン代わりに数回立ち寄ったりする気まぐれなドライブです。

西明寺入り口です。
向かって左側が社務所のようです。

これが目的の心越の(書の)扁額です。
資料でこの扁額の写真は見ていたのですが、やはり間近で本物を見ると感慨深いものがあります。
来て良かったです。



貴重な扁額に千社札が貼られてしまっているのが残念でなりません。
千社札自体は私は大好きで当店にも古い千社札はあるのですが、これはいけませんね。
江戸時代から社寺に貼る習慣があるようですが、今は大抵「千社札を貼らないで下さい」と注意書きがあります。
注意書きの有無にかかわらず、扁額に貼ってしまうのはいけませんよね。
境内の閻魔堂の扁額です。

色が薄れて文字が見えにくいですが、銘を見ると心越の書ではないようです。


山門の扁額
こちらは心越の書で「独鈷山」(右から)
高い場所にある扁額でしたので望遠レンズを持っていかなかった今回はこれが精一杯。
当日お昼の決断でしたが、来て良かった西明寺です。
勝手気ままに道中を楽しむ扁額巡りのドライブ、最高ですよ。
ブログ編集者
彫刻工程の写真
今回は実際に当店にご注文をいただき、お客様にお渡しした手彫り印鑑(印章)の工程写真です。
インターネット上で紹介する事をご承諾いただけたご厚意に深く御礼申し上げます。
手彫り印鑑は彫刻機械を使って彫る方法とは異なり、印面に文字を書きます。

この印材は黒水牛で、その名の通り黒いので見やすい様にまずは朱墨を印面に付けます。

次は字割りです。
熟練者といえど字配りを考える上で字割りは欠かせません。
正円でなく小判型という不規則な形でも、きちんとセンターをとり字割り線を引く事が必要です。

次に「字入れ」です。
機械彫りや手書きを機械に読み込ませて彫る方法では、この逆さ文字を印面に書くという作業はありません。
尚、手書き文字を転写する手法も手彫り印鑑の定義として正式に認められていますので、当店でも転写する場合があります。

バランスなどを考え、時には修正しながら字入れを完成させます。
修正は一旦朱墨で文字を塗り、その後で上から墨で書いて修正します。

そして粗彫りです。
逆さ文字の字入れとこの粗彫りが手彫り印鑑の大きな特徴です。
既にお気付きの方は居らっしゃると思いますが、太枠(中輪)細字の篆書体です。
昔多かった作風で個人的に私も好きなタイプです。


ハンコは「字が命」と私は過去に書いてきましたが「字も命」と訂正させていただきます。
字のみではなく彫りも重要という意味です。

パソコンでご覧いただいている方へ。
写真は横640サイズですので大きく見えますが、彫刻台の木目と大きさを比べてみて下さい。
木目が何ミリかは木によって違いますが、それでも非常に細かい作業である事がおわかりいただけるかと思います。

粗彫りは「粗」と書きますが、文字を傷つけてはいけませんので丁寧に彫る必要のある工程です。
雑に彫るのであればちょっと修業をすれば出来るかも知れませんが、丁寧に彫る事こそ技量が必要です。

粗彫りがほぼ終了しました。(↓)
粗彫りと言っても雑に彫る事とは意味が全く異なります。
粗彫りを雑にしていいハンコは絶対にできません。

最後は印刀(印章用の彫刻刀)を替えて仕上げです。
粗彫りしたままの印面ですと文字が見づらいので朱墨を塗ってから仕上げ刀で彫ります。

本当の手彫り印鑑、いかがでしょうか。
印章店主としての私見ですが、インターネット上で「手彫り印鑑」として販売されているうちの99.9%は
実際は手彫りされておりません。
実店舗では?
そうですね。
ネットが99.9%なら実店舗は99.8%位でしょう。
・・・?
私の書いている事が大げさだと思いますか?
大げさだと思われる場合は、お目当てのお店にこのページの様な彫刻途中の写真を依頼してみて下さい。
サイト上の見本ではありません。
ご自分が注文する印鑑を手彫りしている途中の写真です。
上の様な写真を一緒にいただければ、手彫りされていると判断していいと思います。
「写真」は大変重要です。
詳しくはこちら→ 手彫り途中の写真が重要な理由 をお読み下さい。
また、ご注文いただきましてからお届けまで大変時間が掛かっております。
ご注文いただける際はお手数ですが必ず「納期のご案内ページ」をご確認いただけますようお願い致します。
尚、お客様の実際のご注文品を手彫りしている工程写真を差し上げるサービスは当店が元祖ではありません。
しっかりと業界の健全化を考えているお店さんが始めたサービスです。
ブログ編集者
インターネット上で紹介する事をご承諾いただけたご厚意に深く御礼申し上げます。
手彫り印鑑は彫刻機械を使って彫る方法とは異なり、印面に文字を書きます。

この印材は黒水牛で、その名の通り黒いので見やすい様にまずは朱墨を印面に付けます。

次は字割りです。
熟練者といえど字配りを考える上で字割りは欠かせません。
正円でなく小判型という不規則な形でも、きちんとセンターをとり字割り線を引く事が必要です。

次に「字入れ」です。
機械彫りや手書きを機械に読み込ませて彫る方法では、この逆さ文字を印面に書くという作業はありません。
尚、手書き文字を転写する手法も手彫り印鑑の定義として正式に認められていますので、当店でも転写する場合があります。

バランスなどを考え、時には修正しながら字入れを完成させます。
修正は一旦朱墨で文字を塗り、その後で上から墨で書いて修正します。

そして粗彫りです。
逆さ文字の字入れとこの粗彫りが手彫り印鑑の大きな特徴です。
既にお気付きの方は居らっしゃると思いますが、太枠(中輪)細字の篆書体です。
昔多かった作風で個人的に私も好きなタイプです。


ハンコは「字が命」と私は過去に書いてきましたが「字も命」と訂正させていただきます。
字のみではなく彫りも重要という意味です。

パソコンでご覧いただいている方へ。
写真は横640サイズですので大きく見えますが、彫刻台の木目と大きさを比べてみて下さい。
木目が何ミリかは木によって違いますが、それでも非常に細かい作業である事がおわかりいただけるかと思います。

粗彫りは「粗」と書きますが、文字を傷つけてはいけませんので丁寧に彫る必要のある工程です。
雑に彫るのであればちょっと修業をすれば出来るかも知れませんが、丁寧に彫る事こそ技量が必要です。

粗彫りがほぼ終了しました。(↓)
粗彫りと言っても雑に彫る事とは意味が全く異なります。
粗彫りを雑にしていいハンコは絶対にできません。

最後は印刀(印章用の彫刻刀)を替えて仕上げです。
粗彫りしたままの印面ですと文字が見づらいので朱墨を塗ってから仕上げ刀で彫ります。

本当の手彫り印鑑、いかがでしょうか。
印章店主としての私見ですが、インターネット上で「手彫り印鑑」として販売されているうちの99.9%は
実際は手彫りされておりません。
実店舗では?
そうですね。
ネットが99.9%なら実店舗は99.8%位でしょう。
・・・?
私の書いている事が大げさだと思いますか?
大げさだと思われる場合は、お目当てのお店にこのページの様な彫刻途中の写真を依頼してみて下さい。
サイト上の見本ではありません。
ご自分が注文する印鑑を手彫りしている途中の写真です。
上の様な写真を一緒にいただければ、手彫りされていると判断していいと思います。
「写真」は大変重要です。
詳しくはこちら→ 手彫り途中の写真が重要な理由 をお読み下さい。
手彫り印鑑の注文をご検討のお客様へ (免責事項)
当店では手彫り印鑑をご注文いただきました全てのお客様へ、彫刻途中の写真を差し上げております。
ホームページ上で紹介している写真は、写りが良いものを選んだ上でお客様のご承諾をいただき掲載
しているものです。
写真は素人撮影ですので、写り具合の悪い場合やデータの損失、またはうっかり撮り忘れも有り得ます。
(写真を差し上げるサービスを行ってから撮り忘れは一度もありません)
これらの理由により写真を差し上げられない場合でも、間違い無く手彫りを行っております。
その為、写りの悪い場合や、写真そのものが差し上げられない場合でも、返金等は出来ません事を
ご理解下さいませ。
(写真の写りの悪さ、及び差し上げられない場合差し上げられない事は免責とさせていただいております)
尚、当店の彫刻方法は「手彫り」と「手仕上げ」の彫刻方法でお承りさせていただいておりますが
写真サービスは手彫り印鑑のみとなります。
また、ご注文いただきましてからお届けまで大変時間が掛かっております。
ご注文いただける際はお手数ですが必ず「納期のご案内ページ」をご確認いただけますようお願い致します。
尚、お客様の実際のご注文品を手彫りしている工程写真を差し上げるサービスは当店が元祖ではありません。
しっかりと業界の健全化を考えているお店さんが始めたサービスです。
ブログ編集者