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印相鑑定 開運印鑑   

今回の記事は3月20日の記事で予告した事を書かせていただきます。

記事後半の「開運印鑑はデタラメである昔の資料が見つかった」という事についてです。

その資料はこれ↓です。


開運印鑑 印相体一覧 吉相体

ポスターというより、店頭に貼って掲示しておく為のチラシでしょうか。

東京印章協同組合のチラシです。

このチラシが作成された日付は書かれておりませんが、おそらく30年以上は前のものだと思います。



開運印鑑を否定するチラシですが、昔のチラシだけあって文章が古いですね。

「開運印鑑を否定するのに文章が古いとか新しいとかあるの?」という疑問が湧くかもしれませんが

印相印の販売方法が変わってきたので、文章もおのずと古くなってしまっております。

説明の前にまずはチラシをご覧下さい。

(登録商標上の問題があり、白抜き文字の下の説明文1行目の●のみ私が画像を加工しました)





開運印鑑 印相体一覧 吉相体                                (開運印鑑・印相体はデタラメである事を告発するチラシ)



丸型の印影10個のうち、右下は印面いっぱいに字入れしたものですが、印相体ではありませんよ。(念の為)

赤い項目に区切られ説明が4つに分かれておりますが、チラシの古さがよりわかるのは一番上の説明です。



◆「近ごろ新聞、雑誌…スーパー、デパートなどで…」とありますが、確かに今でもあるものの、

「近ごろ」というのはこのチラシが作成された当時の事で、今はインターネットが中心です。



◆「無料鑑定」とありますが、今は昔に比べ少ないです。 (とはいえ、まだまだあるようです)



◆「鑑定させるとあなたの印鑑は必ず凶印、運が悪いと言われます(要約)」という点。

これは、よく開運印鑑販売サイトに書かれている「上下のしるしはいけない」とか、

「太枠は運気が入らない」「継ぎ足し印はダメ」「角はダメ」とかの事です。

昔からある伝統的な印鑑を否定して買い替えさせた典型的な開運印鑑販売業者のセールストークです。

これは重要ですからもう一度書きますね。

「昔からある伝統的な印鑑を否定」という部分。

印章はご存知の通り古来からありますが、昔は庶民が自由に使えるものではありませんでした。

それが明治時代から庶民にも多く広まり、一気に印章文化が発展し文字も印材も素晴らしいものが

多く作られるようになりました。

そんな印章業界で、新たな「開運印鑑」という商材を売り出すには「いい物を根本的に否定」する事が

必要だったのです。

「今のより良い物ですよ」と言っても(良いはずありませんので)売れる訳ありません。

だったら根本的に否定してしまい、「美」とは全く違うジャンルで商戦を仕掛けてきたのです。

それまでほとんどの印章に付けられていた上下のしるしを否定するセールストークなどが特に有名です。


◆「間違った文字」とありますが、最近(実印の場合)役所では文字の正誤判断が厳しくなったので

昔の印相印とは雰囲気が変わり、(昔よりは)判読できるように変えて販売されています。

いくら巧みなセールストークでも、実印として登録できなければ売れませんからね。

口八丁手八丁の業者ですから、様変わりも難なくこなすようです。

でもそれって、雰囲気を変えてしまったら秘伝のパワーは薄くなってしまいますよね。

(もちろんこれは開運印鑑販売業者さんを揶揄した説明です)



◆「こんなやり方は人の弱身につけいる悪質な商売といえましょう」とあります。

当初の開運印鑑販売業者は今よりずっと強引でした。

「かばん持ち」と言われる無店舗の訪問販売人も多く、1セット何十万という開運印鑑が

言葉巧みに売られていたのです。

そこから霊感商法にエスカレートするごく一部の業者も生まれました。



話は変わりますが、霊感商法を批判する開運印鑑販売業者も居るそうです。

これは何て事ない「同じ穴のムジナ」に過ぎません。

ちょっと言葉の使い方が違いますかね。

「ムジナがムジナを批判」とでも言った方がいいでしょうか。


ハンコを高く売るか否か、脅し文句のような言葉で売るか否かの違いで結局は同じ物が売られているのです。

人の心の弱点を付いて強引に印鑑を販売しようが、優しく紳士的に安心価格で販売しようが、

度合いの違いはあるもののみな悪徳なのです。




「うちは印相体じゃない。  吉相体だ。」 

「だから印相屋とは根本的に違う」

とか言う業者が仮に居たとします。

それは例えば

「私は自分の事を俺とは言わない」

「だからオレオレ詐欺じゃない!  振り込め詐欺だ」 と詐欺師が言っているようなものです。

何故オレオレ詐欺と振り込め詐欺の話を持ち出したかと言いますと、

最近は印相体という名を使わずに吉相体とか他の名前を付けているお店が増えてきているからです。

看板は違っても、中身は一緒という例えでオレオレ詐欺と振り込め詐欺を挙げました。



今回の記事ではずっと「開運印鑑」と書いてきましたが、上に「印相屋」と書きましたね。

そうです。

このチラシが古いのは、「開運印鑑の宣伝にご注意」ではなく「印相鑑定業者の…」となっております。

元々、開運印鑑というのは印相印の事で、開運印鑑販売業者の事は「印相屋」と呼ばれていたのです。

チラシには「開運の印鑑」との記述がありますが、この頃は開運印鑑という名称より「印相印」という

名称が主流でした。

(印相印とは、読んで字の如く印相体で彫られた印鑑の事です)


しかし激安チェーン店さんの進出や、インターネット販売店に押され、一昔前は開運印鑑販売店を

「印相屋」と蔑視していた街のハンコ屋さんが、いつの間にか印相印積極販売に様変わりしていたりして

今では印相屋という言葉自体ほとんど聞かなくなってしまいました。

まさに日本中の印章店がミイラになってしまった感じです。

例えが後回しになりましたが、「ミイラ取りがミイラになった」という状態です。



話は少々飛びますが、今は「売れれば何でも有り」の時代になってしまい一部の印相業者(印相屋)

のみではなく、ごく普通に書体選択肢の一部のようになってしまっておりますが、

上の画像(チラシ)にある通り印相体の印鑑は決まった法則を無視(チラシ参照)し

やたらと文字を曲げるおかしなハンコなのです。

繰り返します。

印相印=印相体の印鑑=開運印鑑です。

印相体(または吉相体などの書体)で彫られた印鑑は開運印鑑です。


印相体の印鑑は何の根拠もない風説により文字の法則を無視して作られたものです。(チラシ要約)

いいハンコを作りたいのでしたら、印相体は選んではいけない書体なのです。

(印相体の説明について詳細はこちら→http://tebori1.blog.fc2.com/blog-entry-140.html



私の悪い癖で説明が長くなりましたが、下の画像をご覧下さい。

これは印章協同組合の資料です。

印相体


その中の記事をご覧下さい。

印相体


記事の中にある「全連」とは全日本印章業組合連合会の事です。

一ハンコ屋に過ぎない私の長い説明より、公共性のある団体の短い文章の方が説得力がありますよね。


印相体

これも表現が少々古いところが時代を感じさせますが、書いてある事はその時代の真を突いております。






ブログ編集者



















尋常小学校の角印

明治時代の印譜より

明治時代の手彫り印鑑


これは最近頻繁に登場している印譜からです。


明治時代の角印

ブログ用の印文判読は基本的にしておりませんが、それでも(縦に見た)中央の列の上二文字は

何という字なのか気になりました。

一見すると「へん」と「つくり」に見えてしまいましたが、よく見ると「尋常高等」小学校と

彫られているのですね。


明治時代の角印

同じに見えてしまうかも知れませんが、こちらは一回り小さなものです。

印文は同じでも、「校」の字の崩しが異なるのがわかります。



隷書体の手彫り印鑑


こちらは隷書体の特徴である横の広がりが美しく引き立つ印影です。

古いハンコはいい物が多いですね。





ブログ編集者

印篆

一旦印譜をピックアップしますと、記事が偏ってしまいますが、

あくまでも撮影の都合上の問題ですのでご容赦下さい。

という事で、ここのところ頻出している明治時代の印譜から。


手彫り印鑑



今回は向かって左のページの右上とその下の印影を紹介させていただきます。


印篆

最近の実務印章の字配りは、とかく空間を作らず印面いっぱいに字配りする傾向があります。

私は(印章に関しては)流行にとらわれない考えですので、このような空間を十分に生かした

字配りも大好きです。


アップもいいですが、一番上の写真をもう一度ご覧いただけますでしょうか。

何度も私が口にしている「ハンコっぽさ」が存分に出ている印影だと思いませんか。

「ハンコは別に文字を印面いっぱいに広げなくてはいけない」 なんて決まりは無いです。

(もちろん印面いっぱいに広げる作風もあります)




印篆





ブログ編集者





















角印

前記事の続きで、今回は印譜左下の角印をピックアップします。


完全手彫り印鑑 



完全手彫り印鑑 

前の記事で「ハンコは文字を印面いっぱいに…なんて決まりは無い」の記事に合わせたつもりはありませんが

印譜の同じページに載っていたので採りあげる事にしました。


完全手彫り印鑑 

なかなか今は大きな角印を使う団体は少なくなっているのが残念です。






ブログ編集者













印鑑簿

今回はまずこの写真からご覧いただけますでしょうか。

手彫り印鑑 印鑑簿

和綴りの厚いものです。


手彫り印鑑 印鑑簿




手彫り印鑑 印鑑簿

「印鑑簿」

読んで字の如く印鑑の帳簿です。

印譜ではなく帳簿です。

手彫り印鑑 印鑑簿

このような書類も入っております。

古いものですが、画像の一部、見えないよう加工させていただきました。


勿体ぶった紹介で失礼致しました。

これは表紙に書いてある通り印鑑の帳簿で、この厚い書類に膨大な印影が入っております。

以前の記事で私は昔の方の実印と思われる印影を何度も紹介しており、時折

「仮に苦情があっても『貴重な印影資料として公開させていただきました』と伝えれば

きっと理解していただけるはず」としておりました。

でも、この印鑑簿の紹介は印影以外、一部をモザイクなどの加工をしてから公開させていただこうかと

考えております。

この帳簿が作られたのは昭和より前です。

仮に、明治時代中期以前でしたらそのまま公開していたと思います。

でも、それよりちょっと後です。

もしかしたら、今でもご存命中の方が居らっしゃるかも知れません。

(多分それはないと失礼ながら思っておりますが、それでも念の為)


現在、世界最高齢の方は確か日本人だと思いますが、120歳まではなっていないはずです。

余裕をもって仮に120歳として、現在の2013年-120歳=1893年

1893年は和暦では明治26年です。

帳簿の作られた年を見ますとそれより後の物である事がわかります。

それを考えますと、この印鑑簿は一部伏せて公開すべきと考えております。

また、明治中期以前の物ならともかく、それより新しいものですので、印章店が

「実印の印影」「住所」「姓名」の三点揃った情報を公開してしまっていいのかと考え

モザイクで一部加工した写真を公開する事にしました。


と、堅苦しい言い訳はこの位にして、この印鑑簿の良さ。

と言いますか、私が気に入っている点は印影だけではありません。

本人直筆の文字が何とも言えない素晴らしい字なのです。

鉛筆やボールペンが普及していない時代のまさにこれぞ筆文字文化だと思います。

下をご覧下さい。


手彫り印鑑 印鑑簿


このまま字をゴム板に転写し、手彫りゴム印にしてもいい位ですよね。


手彫り印鑑 印鑑簿

達筆もさる事ながら、生年月日にも注目して下さい。

「年 月 日」という書式(雛形)は印刷されたものですが、その生年月日記入欄に「慶応」(旧字)と

書いてあるところなんか、活字と江戸時代生まれというアンバランスさに不思議な感じがします。

考えてみれば当然の事ですが、明治や大正、昭和初期には江戸時代生まれの方々も居たんですよね。

当店にある古文書には江戸時代の物もありますが、こうした活字印刷物に江戸時代の名残りが感じられる

のも、それはそれで私は大好きです。

手彫り印鑑 印鑑簿




これ(下)は慶応元年と書いてあるのでしょうか。

筆文字も素晴らしいですが、万年筆で生年月日を「慶応」と書いてあるところなんか

活字印刷物+万年筆に江戸時代の年号というアンバランスさが何とも言えない魅力です。

手彫り印鑑 印鑑簿



これは印影の並び順の見出しです。

「あいうえお」順ではなく「いろは」順ですが、印刷ではなく朱墨で力強く筆書きされた文字も素晴らしいです。


手彫り印鑑 印鑑簿



さあ、そろそろ本題の印影紹介です。

今まで印譜などからは順不同で紹介さしてきましたが、この印鑑簿は順番に紹介させていただきます。

手彫り印鑑 印鑑簿



前述した通り、始まりは「あ」からではなく、いろはの「い」からです。

手彫り印鑑 印鑑簿




手彫り印鑑 印鑑簿



手彫り印鑑 印鑑簿

角型に龍紋(龍刻)の素晴らしい印影です。

一部紙が剥がれてしまっているのが残念ですが、古き良き時代の庶民の印影がぎっしり詰まった印鑑簿。

ハンコに興味がない方からすれば単なる古い帳簿ですが、印章店の私にとってはかけがいのない宝であり、

きちんと保管し、しっかりと後世に伝えていかなければいけない物だと思っております。




ブログ編集者 http://finseal.web.fc2.com/

プロフィール

Author:三代目印章店主
古い手彫り印鑑の印影資料を中心に印相体撲滅に向けてマイペースで記事を書きます。

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